ポポロンさんのトモダチ
ポポロンさんがいないので、 休日ものんびり過ごしているジュリです。 「あぁ、平和だなぁ。ポポロンさんがいると、 モノは散らかすし、ヤカンはひっくり返すし、 落着かないからなぁ」 でも、ホントは淋しいのです。 その証拠にカッパのヌイグルミを蹴ったり、 家のなかを意味も無くウロウロしているのです。 と、そんな時、電話が鳴りました。 「もしもし」 「あ、ジュリ? 僕だよ僕、ポポロンだよ!」 「やぁ、ポポロンさん! 元気かい?」 「うん、とってもね。みんなも元気だよ!」 「あぁ、タヌキやバカネコは、どうでもよろしい。 ところで、今はどのあたり?」 「さあ、どこだろう、ここは? おやおや、ポポポンにもらったニセのテレカ の度数がもうないや。また、電話するよ。 あ、そうそう、ホシの・・・・オ・・・・ サマが行く・・・・・・・・・よろ・・・ね!」 「え、なに? ホシのなんだい? ポポロンさーん!」 電話は切れちゃいました。 それにしてもせわしい奴。インチキタヌキの作った ニセテレカなんて、ダメに決まってるじゃないか。 まぁ、それでもポポロンさんの元気な声が聞けて 良かった良かったと、安心したジュリでした。 ところで、最後はなんて言ったんだろう? ホシのオウジさま? ここに来るのかな? ポポロンさんは異様に顔が広いから、 そんなトモダチもいるかもね。 そして、オウジさまにバオバブの樹の話でも してもらおうかな、と楽しみに待っていると、 見知らぬ男が訪ねてきました。 コワモテで、ジュリの想像したホシのオウジさまとは 似ても似つきません。 「そうか、ホシのオウジさまも長い年月を経て、 年を取っちゃったんだねぇ」 と思い、ちょっとがっかりしました。 すると、オウジさまは、ジュリのコンワクをよそに、 「ごめん!」と一喝すると、 ツカツカと家に上がり込みました。 そして、キョロキョロと部屋の中を見回すと、 ジュリの夕食の用意がしてあった ちゃぶ台をひっくり返しました。 「ええい、どいつもこいつもぉ!」 と、わけのわからないことを叫びながら、 テーブル、植木鉢の乗っている台、椅子、お風呂の腰掛け等々、 足の付いているものはすべてひっくり返し、 最後にジュリをひっくり返して家を出ていきました。 すると、そのあとから、いかにも薄幸そうな女性があらわれ、、 ごめんなさいと何回もあやまって、泣きながら割れたお茶碗や、 湯呑み、散らばった夕食を拾い集め、片づけてくれました。 すると電話が鳴りました。ポポロンさんです。 「ポポロンさん! なんなんだ、あれは!」 「あ、もう来ちゃったんだね。タイヘンだったでしょ?」 「タイヘンだったでしょ、じゃないよ! なんだよ、あのホシのオウジさまは!」 「ホシのオウジさま? ちがうよ、ホシのオジサマだよ」 「・・・・・・・・」 「あ、ホシイッテツのおじさまって言えばよかったね!」 「バカヤロー!」