丘の上の愛
♪ぽっぽこっぽっぽ ぽっぽっぽ 4人の仲間は 仲良く歩むよ ぽっぽこぽ 相変わらず、ネコのニャニャニャンは、上機嫌です。 でも、じつは4人の仲間は歩んでいません。 正確には、ぞうのパオオンの背中に3人が乗っかっているのです。 イチバン後から仲間にくわわったパオオンは、 やさしくて体も大きいので文句を言いませんでした。 でも、ネコは良しとしても、問題はクマとタヌキです。 けっこう重い。 ポポロンさんは、気になっていたのですが、 ニャニャニャンが「乗れ乗れ」と言うし、 パオオンも「気にしないでください」というので 乗っかっていました。やっぱり、ラクだもん。 ニャニャニャンは、背中にじっと 座っているタイプではありません。 踊ったり歌ったり、逆立ちしたり、暴れたり。 その日も、パオオンの頭に乗っかったり、 耳をひっぱったりしてました。 そのうち、パオオンの長い鼻をスベリ台代りにして 遊び始めました。 さすがに、パオオンも困ってきました。 そんな時、パオオンは大きなくしゃみをしました。 「はくしょーん!」 長い鼻を大きく振り上げてしまいました。 乗っかっていたニャニャニャンは、 大きく宙に舞いあがりました。 「たぁまやー!」 ポポポンは、思わず掛け声を出しちゃいましたが、 すぐに事の重大さに気づいた3人です。 「たいへんだぁ!」 ニャニャニャンは、まっさかさまに 谷底へと消えていきました。 「どうしよう、どうしよう!」 3人はおろおろしましたが、谷底は意外と深く、 とても探しに行けません。大声で、呼びかけてみましたが、 返事はなし。それでも、どうすることも出来ないので、 その日は、その場所にテントを張り宿泊することにしました (テントで寝泊まりしてたんだなぁ)。 「ニャニャニャンは、身軽だからダイジョウブだよ。 パオオンのせいじゃないから気にしなくていいよ。 そもそも、お鼻に乗って遊んでいたニャニャニャンが わるいんだからさぁ」 そういってポポロンさんは、パオオンを慰めましたが、 パオオンは、ちっちゃな目から涙をポロポロ流していました。 つられて、ポポロンさんもポポポンもその晩は、 泣きながら寝ました。 いや、正確には3人とも寝れませんでした。 翌朝、テントの外でガサガサと音がしました。 ニャニャニャンが、帰ってきた! そういって、3人はテントを出ました。 すると、そこには長い舌をシャーシャー言わせて、 ビロビロと出し入れするヘビがいました。 「キャー、ヘビだぁ〜!」 3人はあわてて、テントに逃げ込んで、 中から外をうかがいました。 すると、ヘビの後ろにニャニャニャンが 立っているではありませんか。 ニャニャニャンは穏やかに微笑んでいます。 ヘビがだいっきらいなはずなのに。 これは、どうしたことか? と、3人は思いましたが、とりあえず事情を聞いて みなければ、とニャニャニャンに声をかけてみました。 「やあ、みなさん、おはようございます」 やっぱり、おかしいんじゃないのかな? これは、ヘビに事情を聞いた方がいいかもしれない。 そこで、ポポロンさんが恐る恐る、ヘビに尋ねてみました。 「これは、どうしたわけでしょう・・・・・・・・」 つづく