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白ヤギさんの旅立ち

ポポロンさんたちの旅ももうすぐ終わり。 今日は、その前にポポロンの郷のこんなお話をしましょう。 いろいろな動物達が共存しているポポロンの郷です。 その中で、フクロウがやっている材木屋さんがありました。 ポポロンの郷も住宅事情が改善されてきて、 ちょっとした建設ラッシュだったので、大忙しでした。 そんなおり、2代目の社長が、事業の拡大をはかりました。 新規事業にも手を出しました。 その新規事業には若手の白ヤギさんが命を受けて取り組んでいたのです。 白ヤギさんは新規事業と言う事で張り切って、 未知の領域のマーケティング、同業他社のノウハウを調べました。 でも、どうやらフクロウの会社で手を出すべき事業ではなさそうなので、 2代目社長に進言しました。 「社長、これはやめたほうが良いかと思いますが・・・・」 「そうか。でも、この分野には未来がある。我が社も景気が好い から、思い切ってスタートだ! どーん!!!」 白ヤギさんは、家にも帰らず、夜も寝ないで頑張りました。 ようやくメドがついた頃には、体がボロボロでした。 でも、みんなの前ではいつも目を「ヘ」の字にしてニコニコしていました。 そんな頃、嬉しい知らせがありました。 白ヤギさんの奥さんがおめでただと言うのです。 しかも、双子。みんなにはサンザン冷やかされました。 だって、上のお兄ちゃんとおねいちゃんは、もう立派な学生さんだったから。 そうは言っても、もちろん、白ヤギさんは出産予定日を楽しみにしました。 お仕事は、毎日毎日、遅くまで続きます。。。。。 そんなある日、白ヤギさんは会社を休みました。 予定日よりかなり早く、奥さんが入院したのです。 そして、双子は、ついに両親と喜びを分かち合うことは出来ませんでした。 一人目の子は、すぐに息を引き取りました。 二人目の子は、白ヤギさんの指を握るとすぐに息を引き取りました。 白ヤギさんは、ポポロンさんに話してくれたそうです。 「でも、もっと悲しいのは、死亡通知書を出さなければいけない ことだよ。わかる? 死亡通知と言う事は、出生届を出さなけれ ばいけないと言う事なんだ。でね、出生届と言う事は、名前を 付けなければいけないんだよ、名前を・・・・・・・」 白ヤギさんは、目に涙をいっぱいためてました。 でも、双子たちは、間違いなく白ヤギさんたちの子供ですよね? あれから、6年。白ヤギさんが病魔に倒れました。 病の床で、白ヤギさんは考えました。 今まで、自分は良い夫で良い父親だったかなぁ、と。 46年間と言う時間は短すぎたかも知れません。 その短い時間で、自分の出来る事は精一杯やったはず、 それ以上、なにを望むんだろう? そして、白ヤギさんは、入梅とともに、旅立ちました。 今度は、双子達を抱きしめるために。 大谷内彰さんとその家族に捧ぐ

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