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外は白い雪の夜・その1

ポポポンと別れて、再び、ポポロンの 郷を目指し歩き出した3人組です。 それにしても、山に綿帽子を被せるおじさんが 動き出した事からもわかる通り、山はひたすら、 冬を目指してその様相を変えていっているのでした。 ポポロンさんは、元々山育ちなのでへっちゃらですが、 南方生まれのパオオンにとっては、ちょっとキビシイ寒さです。 「おいおい、ポポロンの郷はまだかよ? 早く、こたつにでも入らないと凍え死んじゃうよ」 と、ニャニャニャンが言いました。 そうです、ニャニャニャンも寒さはニガテなんですね。 「いや、たしか、この辺の道を登っていけば ・・・・・そうそう、この山で間違いないさ!」 ポポロンさんは、ひとり元気よく 山道をズンズンと歩いていきました。 そして、パオオンもニャニャニャンも寒さを 紛らすためにちょっと早足でついて行きました。 「おや、これは、ちがうぞ。おかしいな。 こんなところに教会なんか無かったぞ」 ポポロンさんたちが歩いている山道を ちょっと外れた所に、ちっちゃな教会がありました。 どうせなら、ここで暖を取らせてもらおうか、 と誰ともなく言い始めました。 「こんばんわー、だれかいますか?」 誰も出てきません。 しかし、奥の方から声だけしました。 「こんな時間に、誰だい?」 「あー、ポポロンの郷に向かっているのですが、 道に迷ったようなんです。ちょっと、 ストーブにあたらせてくれませんか?」 「ポポロンの郷? あれは、もうふたつほど奥の山だよ」 「あちゃー、だから、違うんじゃないかと思ったんだよぅ」 間違いないと胸を張ったのはポポロンさんでしたけど。 そして、奥の方から、ひとりの牧師さんが出てきました。 ヤマネコさんのようです。 「もう、山は冬さ。これから、この山を降りて、 また次の山を登って、また降りて、また山を登っていたら、 途中で凍え死んでしまうぜ。ひとりかい?」 「いえ、仲間がいます」 「まー、とりあえず、中に入ることだ」 ところが、ニャニャニャンが顔を出したところまでは よかったのですが、照れくさそうにパオオンが 鼻先をチョコンと出したとたん、 ヤマネコの牧師さんは腰を抜かしました。 それでも、自分で中に入れと言った手前、 歓迎せざるを得ませんでした。 「あー、ホンモノ? そう。どこから来たの? あー、タイからね。外、寒いでしょ? ウン、そうだろうね。いや、ウン。まー、ゆっくりしなよ」 ちょっと動揺しているようですが、 あくまでクールを装っている牧師さんです。 で、普段は、こんなことはしないと言いながら、 みんなにココアを入れてくれたり、 クッキーを出してくれたりしました。 ところで、山には山の神様がいるのに、 なんでヤマネコさんは牧師をやってるのでしょうか? それに、親切なようで、ちょっとクールで、 なぞめいています。 でも、今は、その厚意に甘えて、暖炉にあたりながら 暖かいココアを飲んでいるポポロンさんたちでした。 つづく

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