死者の使いとしての使命を帯び、天より降り立つ一人の天使。
しかし、彼女はとある母親の御霊を天界に連れて行けませんでした。
ココロから母親を愛していたその子を可哀相に思ったのです。
天使は、使命を果せなかった罰として翼を折られ、人間に堕ちます。
「神は人間にとって絶対の存在である以上は、人間にココロ動かされてはならない。
人間は人間に感動し、憎悪し、愛し、ココロを動かされる生物だ。神が同じであってはならない」
「それでは、神のココロとは何なのですか?」堕天使は神に問います。
「それがわかったなら、もう一度お前に翼を与えよう。お前のように、自分より小さな者に涙し、苦しみ、愛する天使達が
・・・人間になるのだ。人間があれだけ愚かな事をしても滅びないでいるのは、その根本がお前達にあるからなのだよ」