ファン交 2007年:月例会のレポート
■1月例会レポート by fuchi-koma
■日時:1月13日(土)
●テーマ:
「2006年SF回顧」
●ゲスト:
森下一仁さん(SF作家、SF評論家)
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一月例会は2006年の良かったSFを振り返る企画でした。
星雲賞(日本SF大会参加者の投票により選ばれる賞)に倣って、【日本長編】【海外長編】【日本短編】【海外短編】【コミック】 という順で進行しました。各部門では、まず参加者に昨年の「良かったSF作品」をばんばん列挙してもらい、それを会場のホワイトボードにどんどん書き込み、ホワイトボードが埋まったところでそれぞれの部門についてゲストの森下さんのコメントをいただきました。どの部門でもたくさんの作品が挙がり賑やかな例会となりました。
【日本長編】・【海外長編】
星雲賞ではどの部門にもあてはまらない「短篇集」も「長編」作品と一緒にどんどん挙げてもらいました。ということで、『ラギッド・ガール』(飛浩隆)や『アイの物語』(山本弘)、『デス博士の島その他の物語』(ジーン・ウルフ)など、長編だけでなく連作短篇や短篇集などの傑作がたくさん挙がり、あっという間にホワイトボードが埋めつくされたのでした。
【日本短編】
スタッフが「S-Fマガジン」や「SF Japan」をはじめ、「ミステリーズ!」や「野性時代」など面白い短編がありそうな雑誌の掲載作をリスト化していきました。しかし「小説すばる」など、まだまだSF系短篇が掲載されている雑誌があることに気づかされいい経験となりました。
リスト作成の際に感心したのは『異形コレクション』(井上雅彦・監修/光文社文庫)。全編書き下ろしのアンソロジーで、今年は年2冊でましたから、2006年の収穫としてほとんど雑誌に匹敵する量があります。ホワイトボードに挙がった上田早夕里「魚舟・獣舟」、平谷美樹「量子感染」、大槻ケンヂ「龍陳伯著『秘伝・バリツ式携帯護身道』」などについて推薦者に紹介していただきました。
【海外短編】
細井威男さんに協力をいただき作成されたリストを使用させていただきました。「海外SFは昨年も短編集が強かった」という意見のとおり、国書刊行会を中心に強力な短編集・アンソロジーのタイトルが続々あがりました。雑誌掲載では「S-Fマガジン」7-8月号掲載のアダム=トロイ・カストロ&ジェリイ・オルション「ワイオミング生まれの宇宙飛行士」が有力の模様です。
【コミック部門】
V林田さん&こばげんさんの作成されたリストを参考に、あれはどうしたこれは入らないのかと、会場に来てくれたお二人を中心に、問答で盛り上がりました。
■2月例会レポート by fuchi-koma
■日時:2月17日(土)
●テーマ:
海外SF最前線
●ゲスト:
林哲矢さん(SFレビュアー、SFマガジン「OVERSEAS」担当)
東茅子さん(SFレビュアー)
向井淳さん(SFスキャナー見習い)
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2月例会は、現在精力的に海外SF紹介を行っておられる三名をゲストにお招きし、2000年〜2006年の翻訳SF作品と未訳の作品について、海外SFの最前線についてお話を伺いました。
まず、林哲矢さんがこれまでSFマガジン誌で紹介されてきた全作品リストを見ながら、ゲスト三名それぞれに2000年から2006年までの各年度の印象と、その年で特に面白かった作品、面白かったけどあまり評価されていないよねという作品を挙げてもらいました。たくさんのタイトルがあがりましたが、その中ではとくに、SFの人がノーマークだったポルノ雑誌の出版社から突然飛び出したイアン・ワトスン『オルガスマシン』、その出版が如何に衝撃的であったかという話が興味深いものでした。
向井淳さんには、昨年の大きなトピックとなったニュー・スペース・オペラ作品についてお話いただきました。向井さんによると、どれも長いのでオススメしにくいが、その中で普通に読んでいちばん面白いのはチャールズ・ストロス『アイアン・サンライズ』ではないかとのことでした。
未訳の作品についてのお話で印象深かったのは、東茅子さんの「今年は老人SFの年になるかも」というお話。ハヤカワ文庫SFから2月に刊行されたジョン・スコルジー『老人と宇宙』をはじめ、他にも老人SFが多数刊行されるようです。また、作品中なんらかの形で首をころがす「首ころがしSF作家」としてマイケル・スワンウィックやロイス・マクマスター・ビジョルドを紹介してくださり、これには場内爆笑でした。
例会の残り時間が30分というところで、突然ですが! ゲストの林哲矢さんが昨年末にご結婚なされたということをお聞きしたファン交から、お祝いを込めて「まるごと林哲矢」と題して(聞き手は友人の鈴木力とみいめ ほか)「結婚お祝いインタビュー」をさせていただきました。
■3月例会レポート by 平林
■日時:3月10日(土)
●テーマ:
世界文学のワンダーランド
●ゲスト:
牧眞司さん(SF研究家)
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3月例会では『世界文学ワンダーランド』(本の雑誌社)の刊行を記念して、ファン交オブザーバーの鈴木力を聴き手に、著者の牧眞司さんに世界文学について語って頂きました。
まず20年近く前になるSFマガジンでの〈SFファンのための世界文学百科〉連載開始の経緯から、今回の単行本出版にまつわるこぼれ話などをさらった後に、お楽しみの作品解説。
「初心者向け、という言い方は嫌い」としながらも、読みやすいお薦め7作、何だか分からないけどすごいお薦め7作が、牧さん独特の軽快な調子で紹介されました。当日は参加者の方にご指摘頂いてから白板に書き出すようにしたのですが、改めて挙げておきましょう。
わかりやすい、読みやすい作品
・『百年の孤独』 G・ガルシア=マルケス
・『キャッチ=22』 ジョーゼフ・ヘラー
・『すべての火は火』 フリオ・コルタサル
・『冥途』 内田百けん
・『やし酒飲み』エイモス・チュツオーラ
・『競売ナンバー49の叫び』 トマス・ピンチョン
・『七人の使者』 ディーノ・ブッツァーティ
なんだかわからないけど凄い作品
・『ロクス・ソルス』 レーモン・ルーセル
・『ムントゥリャサ通りで』 ミルチャ・エリアーデ
・『充ち足りた死者たち』 ジョイス・マンスール
・『エペペ』 カリンティ・フェレンツ
・『パースの城』 ブラウリオ・アレナス
・『城』 フランツ・カフカ
・『はまむぎ』 レーモン・クノー
牧さんは本当に楽しそうに語られるので、全く読んだことのない作品でも、まるでその作品世界に迷い込んでしまったかのように楽しむことが出来ました。やっぱりマルケスは読まずには死ねませんね。あと、口頭でのみ触れられてた、同じ話を百もの異なる文体で描写している『文体練習』(レーモン・クノー)が気になります。
休憩を挟んで後半は、牧さんが世界文学に手を出し始めた経緯から始まって、世界文学の魅力までをたっぷり語って頂きました。エドガー・バロウズの作品は舞台を火星に移しただけで、現実の願望・欲望が地続きで、「大体のSFはそう考えていくとつまらなくなる」という話に、文学へのこだわりを感じました。
とても楽しい例会になりましたが、一つ問題があるとすれば、また読みたい本がどっと増えてしまったことですね。
■4月例会レポート by fuchi-koma
■日時:4月7日(土)
●テーマ:
こんなにアニメ化されました
●ゲスト:
三村美衣さん(書評家)
日下三蔵さん(アニメソング研究家)
島本健一さん(新月・東大アニメ研OB)
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4月例会は、近年増えているライトノベルのアニメ化について、ゲストにお話を伺いました。
20歳代、30歳代、40歳代と、年代の違うゲストによる分析が光りました。
前半は「リスト編」として、'83年の『クラッシャージョウ』から始まる「アニメ化されたライトノベル作品リスト」を前に、ゲストの所感を伺いました。
リストを見ると、昔からライトノベルはアニメ化されていたが、当初はビデオと劇場作が中心でTVアニメは少なかった。ところが2000年代に入って、TVアニメ化が急に増えたということがわかります。
島本さんは、昔('90年代)のアニメの方が元気があったし面白かった気がする、今はやや粗製濫造なのではないかという意見を述べ、印象を語ります。
すると三村さんは、確かにそういう側面はあって、昔は原作小説が例えば20万部売れてからアニメ化していたのに、今は人気シリーズだからということで、それ以前の段階で次々とアニメ化していると説明します。
では何故そうなったのか。島本さんは、アニメの受容形態が、昔はTV放送を観てもらってナンボというものだったのが、今はDVD化したものを買ってもらうことを前提とした戦略に移行しているからで、そのような現状は無料で観られるTVアニメの利点を奪い、あまり健全とは言えないのではないかと、鋭く指摘しました。
日下さんは、'03年頃から急にアニメ化が増え始めたことに触れ、ちょうどこの頃にアニメ製作者がマンガ原作の変わりにライトノベルを使えると気づいたのではないか、と指摘しました。
後半は「映像編」として、実際に大型テレビでライトノベル原作アニメのOP映像を流しながら、ところどころゲストの解説を入れていただく形で「アニメ化」の現状についてお話していただきました。
ここでは『ブギーポップは笑わない』が、ライトノベルをただアニメ化すればうまくいくわけではないということを教えてくれた、ターニングポイントとなった作品であり、その後のアニメ化の成功はこの反省があったからできたのだ、という指摘が面白いものでした。
アニメ化して原作以上に面白くなった、いわゆる“化けた”ライトノベル作品は何か? という質問には、『いぬかみっ!』『住めば都のコスモス荘』が挙がり、これはゲスト一同、意見の一致をみていました。アニメ化で面白い作品を作るという流れから『フルメタル・パニック? ふもっふ』『涼宮ハルヒの憂鬱』などを製作した京都アニメーションの実績についても語られました。
最後に、今後もライトノベルのアニメ化は続くかという質問があり、これには供給がある限り続くだろうという言葉で返され、まとめられました。
■5月例会レポート by fuchi-koma
■日時:4月29日(祭)
●テーマ:
あなたの本棚の物語——あなたに教わる書籍整理術
●ゲスト:
山中さん、佐竹さん、向井淳さん、yama-gatさん、さいのさん、風野春樹さん、牧眞司さん
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昨年に続き、今年もSFセミナー合宿にて出張版を催しました。
今回のテーマは「書籍整理」。本読み学生から蔵書家と呼ばれるような方まで、合計8名の本棚写真をプロジェクターで次々に投影し、本人の解説で、どのようにして現在の本棚ができあがったか、蔵書整理のちょっとした工夫などを伺いました。
まずは流れの説明も兼ね、スタッフ代表fuchi-koma(実家生・学生)の本棚から紹介。
本棚を活用するも、溢れて、野積みも多い。自室だけでは足らず、妹の部屋の本棚に本を押し込んで「しめしめ」。ところが自室には姉の本棚と本を置く羽目になったり、共有空間である食卓の椅子の下にも本が積みあがっていたり……と、家で起きている「本棚戦争」について話しました。
二人目、山中さん(一人暮らし・学生)の本棚。
古本を中心に多いときには月に200冊の書籍を買うという山中さん。当然、部屋は本で溢れ、テレビすら本に埋もれて観られない状態。「どうやって目的の本を捜すの?」の質問にはノートを取り出して答えます。「いつ何を買ったか、メモしてあるんですよ。それで…なんとなくあの辺だなと目星をつけて捜します(笑)」また「この本はすべて読むの?」の質問に返ってきたのは、「読みます!!!」の力強い答えでした。
三人目、佐竹さん(一人暮らし・学生)の本棚。
部屋には本棚がなく、机の上と、床に野積みという状態。「どうやって本を捜すのか?」の質問に、「捜しません!!」と男気溢れる答え。冷蔵庫が大きすぎて邪魔だと言いますが、本を詰めたダンボールを積んであるせいで、どうみても玄関まで動かせません。ついには「じゃあ冷蔵庫の中に本を入れるしかないね(笑)」と言われてしまいます。
四人目、向井淳さん(一人暮らし・学生)の本棚。
本棚、野積みを活用しています。本棚における本の並べ方はある程度まではこだわっていたが、後から追加するときに大変になって諦めたとのこと。工夫としてティッシュ箱を使った手製の本箱について披露。強度の不足を嘆いたところ、会場から補強の方法が伝授されていました。ティッシュ箱本箱は、意外と人気?
五人目、yama-gatさん(実家・社会人)の本棚。
本棚を最大活用し、野積みもあり。登場した写真のうち、最も綺麗な本棚でした。しかも、「ここは尊敬する作家さんの本棚」など、並べ方にもこだわりがあります。しかしそのぶん追加・整理は大変そうです。また母親の部屋の鏡台の横に設置された本棚や、応接室にある父親の残した本棚を侵食していく写真は、涙なくしては見られないものでした。
六人目、さいのさん(一人暮らし・社会人)の本棚。
本棚と野積みを活用。本棚は、見事なまでに隙間を作らず、空間を無駄なく使っています。本棚に入りきらない本は、ダンボールに詰めて積みます。「理想の本棚は?」の質問には「理想の本棚っていうか、本棚が理想です(笑)」との答え。
七人目、風野春樹さん(持ち家・精神科医兼レビュアー)の本棚。
最初から設計して14畳の本部屋を造り、可動式本棚を設置。本を溜め込む質の人にとっては理想型のように思われました。しかし、当然ながら引越しの苦労があって、さらにあと2年くらいで書架がいっぱいになってしまうだろうという心配があり、その後のことを伺うと、風野さんは考えたくないといったご様子でした。
八人目、牧眞司さん(持ち家・SF研究家)の本棚。
こちらも設計タイプで、現在、さらに蔵書を増やすべく改築による拡張を実行中のようです。「本を買う金の10分の1は収納のために使え」「5000冊を超えるあたりで、決断を迫られる。本を処分して人間的な生活をするか、処分せずに非人間的な生活をするかだ」などの名台詞を残されました。
この企画が皆さんの読書生活の参考になったなら良かったのですが、さて、如何でしたでしょうか?
■6月例会レポート by fuchi-koma
■日時:
6月9日(土)
●テーマ:
《異形コレクション》10周年の偉業を祝おう!
●ゲスト:
井上雅彦さん(ホラー作家、アンソロジスト)
山岸 真さん(翻訳家、アンソロジスト)
北原尚彦さん(作家、翻訳家)
日下三蔵さん(SF・ミステリ研究家、アンソロジスト)
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6月例会は、オリジナル・ホラー・アンソロジー《異形コレクション》の10周年をお祝いしました。
《異形コレクション》は第一巻の『ラヴ・フリーク』から、現在37巻(+貴賓館4巻)が刊行されているアンソロジー・シリーズです。
まずゲストの皆さんに異形との関わりとお好きな作品(巻)について、日下さんが作ってくださった異形コレクションの現在までの全作品リストと、異形作家の短編集リスト(整形はファン交スタッフによる)を眺めながらお話いただきました。
井上さんには、創刊当初の話からしていただきましたが、星新一さんに話を持っていったら「そういうことはもっと若い人にやらせなさい。筒井くんとか小松くんとか」と言われた、というエピソードには場内爆笑でした。
SFファン向けにオススメの作品(巻)は? という質問もしたのですが、これは愚問だったかもしれません。皆さんのお話から、SFファンならどの巻も楽しめるということを思い知らされたからです。
北原さんは、じつは堀晃さんのようなハードSFを書きたかった(それ故に大学で物理学を専攻した)、という失礼ながら著作からは伺えない意外な一面を告白しながら、堀作品の魅力を語ってくださいました。
山岸さんは、岡崎弘明「太陽に恋する布団たち」(『ラヴ・フリーク』所収)、北野勇作「シズカの海」(『月の物語』)、上田早夕里「魚舟、獣舟」(『進化論』)、さらにファン交1月例会でも話題になった大槻ケンヂ「龍陳伯著 「秘伝バリツ式携帯護身道」」(『闇電話』)などを挙げ、またほとんど異形皆勤賞である菊池秀行作品を「社会性」をキーワードに、どれだけ凄い作品かを語ってくださいました。
今回のゲストはじつは全員アンソロジストでもあるので、後半ではゲストの方々にアンソロジーを編む楽しみや苦しみを伺いました。
山岸さんによると、アンソロジーを編む苦労は三つあるそうです。
一、分量(枚数)に悩む。ニ、並べ方に悩む。三、解説に悩む……だそうです。三つ目の解説というのは著者や作品の紹介のことです。異形は扉の裏に必ず作家紹介があって、それがすごい。情報として役に立つということの上に、作家ならではの紹介文だから面白いというお話に、なるほどと思いました。
異形コレクションにこれまで掲載された作品数は、およそ900。恐るべき数字です。《異形コレクション》は一人の編者によるオリジナル.アンソロジーとして世界最大ではないか? と山岸さんが『読本』で書いていましたが、どうやら本当にそうらしいのです。現在ギネスブックに申請中とのことであり、これにはゲスト一同も間違いなかろうと太鼓判を押しました。
最後に今後について。
異形コレクションの次巻タイトルは『心霊理論(仮)』、心霊をSF的に扱うテーマで、『進化論』に執筆している作家も多数登場の予定とのことです。
また今後の異形ではショートショートだけで一冊を組むなど、新たな試みも続けていくとのことで、ますます楽しみです。
■7月例会レポート by fuchi-koma
■日時:7月14日(土
●テーマ:
ライトノベル「超」対談
●ゲスト:
新城カズマさん(作家)
宇佐見尚也さん(ライター)
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7月例会は、昨年の7月例会「『ライトノベル「超」入門』を語る」ゲストの新城カズマさんに再登場いただきました。さらに今年は、熱心なライトノベル読者であり『このライトノベルがすごい!』などのライターも務める宇佐見尚也さんをお招きし、お二人にライトノベルについてお話を伺いました。
前半は、宇佐見さんによる既存のライトノベル・レーベルの紹介とその特徴分析。新規ライトノベル・レーベル紹介と分析。そして、新城さんにとってのここ一年の変化の実感などを伺いました。
宇佐見さんは、各(少年向け)ライトノベル・レーベルの実力や特徴を「ドラゴンボールのキャラ」に喩えて紹介します。
「電撃文庫は現在最強なので孫悟空。かつて一時代を築いた富士見ファンタジア文庫はベジータで……」という面白い話を喩え話を聞いているうちに、現在のライトノベル情勢が分かってしまいます。
ライトノベル業界のここ一年間の最大のトピックであった新規レーベルの参入については、「ライトノベル関連本ブーム以降の後発レーベルは、自分たちがライトノベル・レーベルであることを意識している点で、それまでと明らかに違う。既存のライトノベルとの差別化の意識は、例えばガガガ文庫によく現れている」と分析します。
後半は、新城さんの著作『ノベ「超」』と、宇佐見さん企画の同人誌『本当はこのライトノベルがすごい!』の二冊を中心に、話を展開していきました。
同人誌『本当は〜』について少し説明します。
この本は宇佐見さんの企画する同人誌(発行は「新月お茶の会」)で、主に「コミックマーケット」(通称コミケ)で販売しているそうです。本家『このライトノベルがすごい!』(宝島社)にライターとして参加している宇佐見さんが何故、このような本を作ったのか。それは、ライトノベルの楽しみ方は、人気投票だけでなく、スポットをあてられていない本を「自分はこれが面白いと思う!」と紹介することに意味があると考えるからだと言います。
後半で大きなトピックとなったのは、(萌え)「属性」についてでした。
昨年の例会では、新城さんによる「メイド」や「ネコ耳」についての深い洞察が披露されましたが、今回はそれを踏まえて、新城さんからのご提案により、宇佐見さんに「最近気になる属性」をあげていただきました。
そこには、「サドロリ」「サドデレ」「兄貴(っ子)」や「武装メイド」など最近のライトノベルにおける斬新な属性があふれていました。
「首なし」(EX:成田良悟『デュラララ!』のセルティ)が、表情を使わずに感情を表現するという高度な技術で新たな地平を切り開いたという話や、「女の子だけではなくこれからは男の属性も発展していくのではないか」という願望まじりの宇佐見さんの予言は、ライトノベルという領域のポテンシャルの高さを感じさせるものでした。
また、ライトノベルと一般文芸の境界が曖昧化していくという「ゼロジャンル」の提唱から一年、その変化をどう感じているかとの質問に、新城さんは「ゼロジャンルという言葉は使われていないが、実感としては思った以上に進んできた。たとえば桜庭一樹さんはどちらの領域でも活躍している。今後の展開にも注目していきたい」と応えていました。
ライトノベルの可能性の広がりを昨年以上に感じた例会でした。
■8月例会レポート by fuchi-koma
■日時:9月1日(土)内
●テーマ:〜なんちゃってバイリンガル企画〜
「古今東西SFイラストでファン交流!」
●ゲスト:
新城カズマさん(作家)
小浜徹也さん(編集者)
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今年のSF大会Nippon2007は、日本SF大会と世界SF大会(ワールドコン)の併開となり、海外からのSFファンがたくさん参加する大会となりました。そこで、SFファン交流会でも思い切って、海外SFファンとの交流の場が作れればと出張版企画を催すこととなりました。
企画タイトルに「なんちゃってバイリンガル」とあるように、できるだけ英語圏のファンとの交流もできればと、事前にタイトルやあらすじを英訳して、それをプロジェクターで映し出すなどの工夫をしたのですが、果たしてどこまで役だっていましたでしょうか。
当日、主にSF小説のカバーイラストと紹介文(日本語・英語)のスライドを見ながら、ゲストの新城カズマさん(作家)、小浜徹也さん(編集者)にコメントをいただきました。
まず導入としてローカス誌のオールタイム・ベスト(以下ATB)と日本のSFマガジンのATBを比較しました。小浜さんは、日本のATBは最初に翻訳された作品が多くランクインしているなど、翻訳であることが大きな特徴になっていると分析します。
新城さんは自身のベストと比較して、「どうしてこんなに違うのろう?」と首を傾げていました。
SFマガジンのATB海外編は、
1.『ソラリス』スタニスワフ・レム
2.『幼年期の終り』アーサー・C・クラーク
3.『夏への扉』ロバート・A・ハインライン
4.『火星年代記』レイ・ブラッドベリ
5.『虎よ、虎よ!』アルフレッド・ベスター
新城さんの海外SFベストは、以下の通り。
(※ 資料は昨年の「初心者の部屋企画」のものを使用しました)
1. 《銀河帝国興亡史》三部作アイザック・アシモフ
2. 『地底旅行』ジュール・ヴェルヌ
3. 『スターメイカー』オルフ・ステープルドン
4. 《デューン》シリーズ・三部作限定フランク・ハーバート
5. 『火星のプリンセス』エドガー・ライス・バロウズ
後半はスライドをみながら「原書と日本版のイラストどっちが好き?」という質問で参加者全員に回答を挙手していただきました。日本人も外国人も関係なく皆さん真剣に回答してくれて嬉しかったです。小浜さんの質問で、海外(回答いただいた方はイギリスの方のようでした)では日本のATBで海外編第一位のスタニスワフ・レム『ソラリス』があまり知られていないこと、第三位『夏への扉』はハインラインの代表作ではないことが確認されたのも収穫でした。
最後にATB日本編の上位五作品を紹介文つきで流し、残りの表紙イラストをスライドショーで見て、あれやこれや話をしながら例会の幕を閉じました。
会場では、ファン交の活動を説明したチラシと日本のATB国内・海外編上位25位までのリスト(日本語・英語)を配布しました。
それにしても、ゲストのお二人が日本語・英語を切り替えて話してくださったり、企画準備の段階よりなにかと企画に協力いただいていたcatalyさんが、当日の企画でも見事な英語で企画フォロー&進行もしてくださったおかげで、「なんちゃってバイリンガル」企画が、ちゃんとした「バイリンガル」企画になっていたよと、感想をいただきました。
最終的には、部屋を埋め尽くす50名を超える方に参加いただきました。その中には数人海外のSFファンも混ざっていて、とても嬉しかったです
今回の企画が、SFファンの国際交流の第一歩となれたなら嬉しく思います。
最後になりましたが、この企画を成功に導いてくださった、ゲストのお二方と、最高の助っ人であるcatalyさんに、改めて、スタッフ一堂心より感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。
■9月例会レポート by fuchi-koma
■日時:9月15日(土)
●テーマ:古今東西SFイラストでファン交流!
●ゲスト:岩郷重力さん(アートディレクター)
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9月例会は、ワールドコン企画に続き、SFイラスト企画でした。
前半は、ゲストの岩郷重力さんのお話。
そもそも岩郷重力とは何者なのか? 最近の早川や創元のSFのカバーでよく見かける名前ですが、その実態とは…? まずわかったのは岩郷さんが大のSFファンだということ。なんでも四国は高知の高校でSF研を創設したり、大阪芸大に小松左京がいるという理由で、デザインや芸術なんて知らなかったのに大学を決めたといいます。
そんな岩郷さんは大学卒業後、広告デザインの世界で数年間仕事をして、その後SF編集者との付き合いから仕事をもらいSFのカバーデザインを手がけることになったそうです。
お話から感じられたのは、本のデザインへの前向きな姿勢です。
岩郷さんは「なんでSFの表紙を隠して電車で読んだりするのか?」という、核心的な疑問を発します。「隠さなくても良いようにしたい(笑)」そして「マニアはどんな装丁でも買うから(笑)、それ以外の人にも買ってもらえるようにしたい」と言います。マニアでない一般の人に手にとってもらうにはどうしたら良いか。そこでデザインが力を発揮します。特に女性は、本をインテリアとしても考えるから、インテリアとしても鑑賞に堪える本にすればいい…といった、実際的な話をされました。
会場には、デザイン途中の『Self-Reference ENGINE』や『象られた力』などの見本を持参してくださり、参加者はどのようにしてそれらの本のデザインができあがったのか、過程をみることができました。
また、「岩郷重力・七変化」というべき実態も明らかにされました。尋常ではない数のデザインを手がけてきた岩郷さん。話を聞くほどに圧倒される存在でした。
後半は、ワールドコンのエキシビションに展示した、A3に引きのばしたオールタイムベストSF50作品(国内編25・海外編25)の書影パネル、およそ100枚を会場の畳の上にずらりと並べて、それらをじっくり鑑賞しながら、原書と日本版の違いや、表紙イラストの時代変遷などについて、あれがいいこれがいいなどと参加者で自由に談話しました。
最後に、その場にない書影で「これも見たかった〜」というものをあげてもらうと、横山えいじ、鶴田謙二、末弥純、真鍋博……その他たくさんの絵師による、作品タイトルやイラストレーターの名前があがりました。
ゲストの貴重なお話を聴けたうえに、まったりと表紙イラストを楽しみながらじっくりファン交流もできた、ちょっとまれな例会となりました。
実は、企画終了後に、ラミネート加工した表紙画を来てくれた方々に持って帰っていただこうと思っていたのです。提案してみたところ、皆さんから「せっかくだから、どんどん増やしていけば面白い。ほかの切り口(例えば「好きなカバーイラスト100」とか)で、またイラスト企画をしたら?」と、企画の提案をいただいたり……。
あ〜。こんなに楽しいのだから、またSFイラスト企画をしたいなあと思いました。
■10月例会レポート by fuchi-koma
■日時:10月6日(土)〜7日(日)内
●テーマ:SF賞 くらべてみれば!?
●ゲスト:
大森望さん(翻訳家、書評家)
山岸真さん(翻訳家)
大野万紀さん(書評家)
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10月例会は、一昨年、昨年、に続き、今年も京都SFフェスティバルの合宿にお邪魔しました。
企画テーマは「SF賞 くらべてみれば」です。
前半は、「SF賞リスト一覧」(スタッフ&ゲスト作成)を眺めながら、日本と海外のSF賞の違いを中心にお話いただきました。
リストを見ると、まず目につくのは部門数の違いです。日本のSF賞では多くて星雲賞の9部門ですが、海外のSF賞にはヒューゴー賞の13部門、ローカス賞の15部門など、10部門を超えるものがいくつもあります。そこから小説部門の長さの区分けの話(日本では短編・長編の区別が一般的だが、海外では短編・中短編・中篇・長編の四部門に分けることが多い。
その妥当性についてなど)になり、そのなかでは日本SF大賞は一部門しかないがメディアを問わず小説にもマンガにも映像にも受賞できるという点が世界的にも珍しい、などの話をされました。
後半は、ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞、世界幻想文学大賞、星雲賞の長編部門受賞作、『SFが読みたい!』年間ベスト1を表にしたリストを眺めながら、受賞傾向や受賞作について、まったりとお話いただきました。
たとえばローカス賞の創設の経緯や、玄人好みの作品が受賞すると言われるけど、本当にそうだろうか? などを検証したり、日本の星雲賞は、海外の三大SF賞と比較してアイディア重視の作品が受賞する傾向にある、という分析がなされたり……。『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』が受賞した年の反応の話も面白いものでした。
後半とくに盛り上がったのは、「レトロヒューゴー賞」についての話題でした。
レトロヒューゴー賞とは、ヒューゴー賞が選出されなかった年のベストをワールドコンの投票で決めて、あとからヒューゴー賞を贈るという面白い賞です。
この賞の話題がでたときに、ヒューゴー賞の制度を参考にして星雲賞が作られたのだから、じゃあ、「レトロ星雲賞」があってもいいんじゃない? という発言があり、そこから突然、この架空の賞について考えるという展開に(笑)。
星雲賞は中断していた時期があるわけではないので、レトロ星雲賞は創設以前の1969年以前に遡っていくことになる。では1969年のレトロ星雲賞ってなんだろう? 小松左京か、光瀬龍か、筒井康隆か……具体的な発表作品は調べればすぐわかるから、ぜひやってみたいよねえ、などと冗談なのか本気なのか分からないif話で盛り上がり、いかにもSFファンの集りでした。
■11月例会レポート by fuchi-koma
■日時:11月17日(土)
●テーマ:サはサイエンスのサ 150回突破を祝う
●ゲスト:鹿野司さん(サイエンスライター)
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11月例会は、鹿野司さんをお招きしてSFマガジンの連載「サはサイエンスのサ」の150回突破をお祝いしました。
前半は、「ライブ版 サはサイエンスのサ」として、鹿野さんに連載の枠では話しきれない最新科学のオモシロ話をしていただきました。
まず映画『不都合な真実』で、地球温暖化問題について警鐘を鳴らした、アメリカ元副大統領・ゴア氏のノーベル平和賞受賞から話は始まります。
「宇宙でエネルギー資源を無尽蔵に使った豊かな生き方をするか、地上で質素な生き方をするか、選択肢があることが重要。地上は結局、超管理しないと人口が多くなりすぎるので、制度的にがちがちに縛る必要があるのですが、選択肢なしに、そのような厳しい制約を与えても、100年も200年も持たない。でも、選択肢があるなら、そういうことも不可能ではないということですね」
次に、文明=超生命体論について。
「人類のような文明(=超生命体)を作るのは、たぶん宇宙の歴史に見ても貴重だと思う。僕は貴重なものは保存したいと思ってるんだよね(笑)。だから地球の文明を宇宙に産み落としてやるところまでは見守りたい」と鹿野さんはサラリと言います。
最近のSFマガジン連載でも語られている「神経症的マイノリティ」についてもお話を伺いました。アスペルガー症候群についての話題がでたときには、SFファンの集まりはそのような人に対して寛容だという話になり、思わず納得。
前半の最後に話されたのは「世界を新鮮に保つために」と題されたお話。「ここからはオレ様理論だからね」と断りつつ話すのは「意識」について。
「意識」というのは、新しい物事を覚えようと集中しているときなど限られた状況下で起動するのではないか。子供のころ時間の流れが遅く感じられるのは、出来事のすべてが新鮮で意識が起動しっぱなしだからなのだというのです。
科学というのは、既存の枠組みを壊しながら世界をより深く理解しようとするものであり、それは世界を新鮮に保ってくれる。だから僕は科学が好きなのだ。そう鹿野さんは話しました。
後半は、鹿野さんの経歴と連載について伺いました。
鹿野さんのファンジンデビューは〈科学魔界〉だそうです。その後「SFファン科学勉強会」に参加し、そこからのツテで大学在学中に〈SFアドベンチャー〉で商業デビュー。その後、豊田有恒さんが設立された「パラレルクリエーション」に顔をだすようになり、いつの間にかプロの「サイエンス・ライター」に。
科学雑誌で、大学の研究室を回るコーナー(延べ500人以上の科学者にインタビュー)を持ったときの経験は「サはサイエンスのサ」や「さいてっくゴーゴー」などに活かされているそうです。
さて、「サはサイエンスのサ」は「〜なんだよね」という口語体(ぶっちゃけ口調?)の文体が特徴ですが、なぜあのような文体なのでしょうか。
それは、科学に携わっている人が陥りがちな「俺が知識を教えてやる」みたいな姿勢が、自分の考えている「科学の楽しさ」を伝えることとは違うんじゃないか、という気持ちから生まれたものなのだそうです。
「今後のご予定は?」という問いに対して「これまで通り書いていくだけ」という鹿野さんの答えに、SFマガジンで13年、ログインでは25年という長寿連載を持つ鹿野さんのお人柄も感じました。
◆ハヤカワ・オンライン『サはサイエンスのサ』
■12月例会レポート by fuchi-koma
■日時:12月15日(土)
●テーマ:『日本SF全集・総解説』を総解説!
●ゲスト:
日下三蔵さん(SF・ミステリ研究家、アンソロジスト)
星敬さん(SF研究家)
風野春樹さん(精神科医兼レビュアー)
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12月例会は、『日本SF全集・総解説』を刊行された日下三蔵さんをお招きし、また星敬さん、風野春樹さんにもお越しいただき共に刊行をお祝いしました。『日本SF全集・総解説』(早川書房)は、架空の日本SF全集について解説した本です。この本ができる経緯は本書あとがきに詳しいのですが、要約しますと以下のとおり。
・当初は本気で全集を出すつもりでいたが、版権等の事情で断念。
↓
・予定していた全集の内容を、SFセミナーの合宿企画で紹介。
↓
・企画終了後「SFマガジン」塩澤編集長に声をかけられ
「SFマガジン」誌上でブックガイドとして連載することに。
↓
・連載は7年間続き、現在第三期までを終えて本になった。
ということです。
ゲストの日下さんと星敬さんは、会うたびに(実現するかどうかはともかく)「こんな日本SF全集を作りたいね」といったことを話していたそうです。あまり表には出てきませんが、資料関係では「困ったときの星さん」と日下さんが言うほど、星さんの協力は大きかったようです。
そんなお二人に「全集の作品選定で衝突はなかったのか」と訊くと、日下さんは「星さんの編纂したアンソロジーを読んで影響を受けてきたので意見がぶつかることは比較的少なかった」と話します。また星さんは豊田有恒さん編纂のアンソロジーなどを読んで育ったという話も伺えました。
風野春樹さんに全集の感想をうかがうと、連載を読者として興味深く読んでいたとのこと。
作品選定では、山田正紀の巻を『神狩り』『崑崙遊撃隊』『チョウたちの時間』の三つの長編で構成したのは大胆ではないか、と指摘。これには会場からも賛同の声が聞こえ、『宝石泥棒』を押す声が上がると、日下さんは「『宝石泥棒』は大好きで入れたかったが、まず分量が多すぎる。あと、ぼくは『宝石泥棒II』を高く評価しているから『宝石泥棒』を入れるとしたら両方入れないと嫌だった(笑)」と応じ、具体的な作品選定の苦労と楽しみを話します。
この全集は「実際に売れるように」とのコンセプトがあるので、架空であるにも関わらず、たとえば枚数制限(原稿用紙1600枚前後)を設けたり、作家の特徴がわかるように作品を選定するなど、こだわりを持って作られています。ボルヘスやレムじゃありませんが、SFファンってこういうこだわりのある「架空の○○」を作るのが本当に好きですよね(笑)。しかも日下さんは、「架空の全集なので作者が嫌がるものも入れます(笑)」と、架空であることを最大限に活かして作っているのです。
「第一期にはアンソロジーの巻があるのに、第二期・第三期にアンソロジーがないのは何故か?」という質問には、「最初は作る予定だったが、やってみるとアンソロジーの巻を作るほど作家が集まらなかった」との回答。さらに「アンソロジーに入れるつもりで保留しておいたのを忘れて、取りこぼしてしまった作家もいる」という話も。
その他いろいろな裏話が明かされましたが、とくに面白かったのは、第三期の作家の並び順が、最初の「新井素子・夢枕獏・神林長平」と最後の「野阿梓・菊地秀行・大原まり子」で鏡のように対応している(分かりますか?)という話。これには「おおーっ」という声が会場から上がりました。
本は第三期の大原まり子までで終わっていますが、こうなると気になるのは第四期および第五期の作家陣。もちろんちゃんと考えてあるそうで、そのお話もしていただきました。
最後に今後の予定として、出版芸術社より2008年に刊行予定の『日本SF全集』(全6巻)についてお話いただきました。実現すれば河出書房新社『20世紀SF』(全6巻)の日本版に相当するのでしょう。期待が高まります。
当初の「全集」構想と形は変わっても、アンソロジーや各作家単位の短編集など別の形で本を作り続けていくという日下さん。SFファンとしてなんと心強い存在でしょうか。その活動に今後も目が離せません。
※ 会場では『日本SF全集・総解説』に収録された43人の作家の既読率を調査したアンケート結果表を資料として配布しました。
<mixi「SFファン交流会」コミュニティ>の参加者に協力いただき、計35名から回答を得ました。回答してくださった皆様ありがとうございました。