悪巧みは神官の嗜み

※この文中には性的表現が含まれています。読む場合は了解の上でお願いいたします。




  【6】




 耳障りで、下品で、嫌な笑い声が響く。
 始めは遠かったそれは次第に近くなり、やがては耳元で大きくエコーを纏って響きだす。

「――……っこいな、大丈夫か」

 口が押さえられていて声が出ない。
 腕も、足も押さえられている。身動きが出来ない。
 目の前には、大柄な騎士の姿。
 腕を押さえ、口をふさいでいる騎士は、舌なめずりをしながらも嫌な笑みを浮かべている。
 フェゼントは、それでも腕を振り上げようとして、身を捩った。


 ――これは、夢だ。
 遠くから見ている意識が、そう、声を掛けてくる。
 けれども、映像と共に思い出す恐怖が、意識を『その時』に引きずり込んでいく。


「お、まだ暴れる元気あるんだ?」

 その更に後ろから、別の騎士が顔を出す。

「しかしえらくひょろっこいですね、こいつ」

 暴れるフェゼントの動きにびくともしない男は、その声に振り向いて返事を返した。

「お貴族様の親戚だかなんかじゃなかったか? だからこんなんでも騎士になれたんだろ。まぁ、こいつ自身貴族様じゃないみたいだから、貴族法にはひっかからんだろ。たまにこういうのがいるから楽しめる」

 言葉に同意して笑う、その後に続く声からすれば、少なくとも3人はいるだろう事が予測出来た。彼らの格好からして、全員が騎士団正規所属の騎士達だと思われる。
 これから何が起こるかわかってしまったフェゼントは、一瞬抵抗を忘れて顔を強張らせた。ぞっと肌が粟だって、体が意識せずに震える。

「子猫ちゃんが元気なうちにさっさとやろうぜ。おい、早く脱がせちまえ」
「了解。んじゃお前は腕全部はずしといて」

 脱がせる、という言葉に気づいて再び暴れたフェゼントだったが、自らも騎士とはいえ、体の大きさも腕力も圧倒的に勝る相手には、どれだけ暴れても、ほんの少し体勢を崩す事も出来ない。

「しかし、華奢な上に髪も長いとくれば、本当に女を脱がしてるみたいで楽しいな」

 笑いながら鎧の止め具を外していく、目の前の騎士の男の歳は30程か。騎士なら自分で何度も同じような物を着た事があるだろうフェゼントの装備を、これまた手馴れたらしく、やたらと手際よく外していく。その横では別の騎士がフェゼントの腕の装備を外していて、押さえつけてる騎士は荒い息を吐きながら、血走った目でフェゼントを見ている。

「おー、ちっけぇ、まだガキの体だな」

 完全に脱がされたフェゼントの体をじっとみて、彼らは笑う。

「こっちもガキだな。ってか完全にびびって余計縮こまっちまったか」

 言いながらフェゼントの性器を軽く握って、また笑う騎士達。
 顔を真っ赤にしたフェゼントは、もう泣きそうだった。
 視線の中から少しでも体を隠したくて、身を捩って暴れる。少しも緩まない手に絶望しか浮かばないが、少しでも抵抗してないと、そのまま絶望感につぶされて泣いてしまいそうだった。

「さっさとやろうぜ。一発突っ込んじまえば、大人しくなるだろ」
「うあ、この細いのにお前の突っ込むんじゃ可哀相だな」
「いくらひょろくても騎士にまでなったんだ、そう簡単に壊れないだろ」

 好き好きにいいながら、笑う男達の手がフェゼントの体を撫で回す。
 一人がフェゼントの片足を掴み、ひざを胸に押し付けるように持ち上げた。
 そして、何かで塗らした指をフェゼントの後孔に入れてくる。
 その衝撃に、目を見開いてフェゼントが体を強張らせた。
 口を塞がれたまま、喉だけで叫ぶ。
 指はそんなことにはお構いなしに、強引に奥へ入ってくる。

「やっぱ狭いなー。初モノかな。かわいー顔してるし経験あるかなとも思ったんだが」

 言いながらも、指は中を広げるように掻き回している。
 痛みよりも、その感触と、何よりこれから先の行為を連想させて、フェゼントの見開いた瞳からはとうとう涙が零れてきた。

「初めてでお前の突っ込むのは、さすがに不味くねーかぁ?」

 台詞の割りにその口調はのんびりと楽しそうで、他の騎士達も同意して、可哀相にと言って笑う。

「おー、きつすぎ、2本目いけっかなー。誰か滑り良くするモンなんか持ってるか? この程度じゃたりねーわ」
「言い出しのお前以外そんなもん持ってないぞ。唾でもつけとけ」
「まぁ、多少は裂けても問題ないだろ。あぁ、薬草ならあるから、裂けたら突っ込んでやればいいかもな」

 そりゃいいわ、といって、下品な笑い声が響く中、フェゼントの中の指が一気に増やされる。

「ンンッ、がっ、うあっ痛ッ……痛いっ」

 あまりの痛みにフェゼントが体を跳ねさせて、その拍子に口を押さえていた手が外れる。けれどもそれは一瞬の事で、すぐに口はまた大きな手に塞がれ、体を押さえつける腕の締め付けが強くなった。

「やっぱ一気にやったら裂けるか」
「急ぎすぎだ、お嬢ちゃん泣いてるぞ」

 笑いながらも指は止まらない。更に乱暴に、突き上げるようにねじ込まれ、その痛みにフェゼントの体はびくびくと跳ねる。
 痛くて苦しくてきつくて、とにかくかなりの質量が自分に入れられているのは分かるが、これで指が何本入っているのかなんて考えたくもなかった。
 ただ痛みに、涙がぽろぽろこぼれるのは抑えられない。

「さて、こんくらいでいいかな」

 急に指が抜かれて、圧迫感が消える。けれども、裂けた所為か鈍い痛みはそのままで、じくじくと疼くように苛んでくる。
 今まで指を入れていた騎士の男が、立ち上がって服を緩め始めた。
 程なくしてフェゼントの視界の中に、男の既に立ち上がった浅黒い男性器が現れた。

 ――アレが……中へ?
 
 頭が拒絶反応を起こして、まるで他人事のようにすぐ実感出来なかった。
 けれども、見せ付けるように男がフェゼントの目の前で自分のものを軽く扱いて、鼻をつく雄の匂いを嗅いだ途端、急激にこれから起こる事を理解する。
 フェゼントは喉だけで叫ぶ。

 ――無理だ、あんなの。

 恐怖に体が震える。押さえられた中でも、いやいやをするように顔を振って、ソレから逃げようと腰を引こうとする。勿論、押さえ込まれた腕がそれを許す筈もなく、それは抵抗にすらならなかったが。

「開通式といこうぜ」

 男の手が、暴れようとするフェゼントの両足を掴む。
 蹴ろうとしても全く動かせないほど、その騎士の男とフェゼントの力の差はありすぎた。
 両足を開いて、胸に付くほど持ち上げると、その間に男が体を近づけてくる。
 目の前に男の情欲に塗れた嫌な顔が近づいてくれば、入り口が指で広げられて、そこに他人の体温が押し付けられた。

「ン――……!!!」

 叫んだ声は勿論押さえつけられた手の中に消えたものの、手が離されていたとしても声にならなかったろう。
 体の中に入ってくる、他人の熱。
 ミシミシと、軋むような音が聞こえてくる程の痛み。
 あまりの衝撃に、フェゼントは目を見開いた。

「きっちー……」

 いう男が、下肢を揺らして奥へ進めようとする。

「がっ……ウンッ……ンー」

 自分でも何を叫ぼうとしているのか分からないくらい、痛みに頭がパニックを起こしている。瞳から涙がとめどなく流れて、身を切り裂かれるような痛みに耐える。

「くそっ、さっさと入れっ」

 男が小刻みに腰を揺らして、無理矢理ねじ込んでくる。
 きつすぎてそうそう進まないながらも、揺らすたびに確実に奥へと埋まっていくのが分かる。顔を赤くした男が乱暴にフェゼントを揺さぶって、その度に、ず、ず、と中が広げられていくのが分かる。そして、ある一定の場所にくると、ソレはずるり、と一気に入り込んできた。
 男が満足げな息を吐く。

「やっと入ったぜ……やっぱ処女はきついな」

 フェゼントは痛みと奥にまで入れられた苦しさで、痙攣するように押さえ込まれている足を震わせていた。

「さぁ、動くぞー。後が楽なように俺ので広げてやるからな」
「ガバガバにはすんなよ」
「処女からガバガバじゃ可哀相だな」

 耳障りな笑い声も遠くに聞こえる。
 フェゼントが次に感じられたのは、ガクリとぶれた視界と、引き抜きかけた後一気に突き入れられた体を抉られる感触だった。

「ン……ぁ……ぁ」

 男の肉が体の中を何度も往復している。
 その度にきつ過ぎる体の中を無理矢理引き裂いて、内壁を抉るごりごりという音が体に響く。
 耳からは、肉を打ち付ける音と、ぐちゃぐちゃと粘着質な水音が聞こえた。

「いいねぇ、狭くて、いいぜすごく」

 揺れる視界に、男がうっとりとした顔で自分を見下ろしているのが見える。押さえている他の騎士達が、血走った目で凝視している。体はもう突き入れてくる男の思うままで、奥を抉られる度に、腹を波立たせて背を撓らせた。

 これが悪夢なら、早く終わってくれるのを待つしかないのだろうか。

 朦朧としてきた意識で、フェゼントはそう思う。
 痛みは限界を越えて、もう意識と切り離され、この状況もどこか夢の中の出来事のように、思考の一枚向こうで起こっているような気になる。

 終われ、終われ、終われ。

 現実逃避のようにそれだけを願う。
 けれども、そう考えていられる内は、まだフェゼントは幸せだった。

「ンッ……」

 中をかき回す男の欲望が、ある箇所を掠める。
 フェゼント本人より早くソレに気づいた男は、一瞬動きを止めて、残忍な笑みを口元に乗せた。

「ここだな。今きゅっと締まったぜ」

 男の、それまで滅茶苦茶に突き上げるだけだった動きが変わる。
 ある箇所をわざと擦るように、先ほどよりもゆっくりと抜き差しを繰り返す。
 フェゼントには何が起こったのか分からなかった。
 分からなかったけれど、感じたのは痛みではなかった。目の前の男の動きに合わせて、体が熱くなってくる。痛みではない、別の疼くような鈍い痺れが下半身から競り上がってくる。
 ぐちゅ……、耳を覆いたくなるような嫌な水音と共に。
 中を擦られて、何か耐え切れない、切ない疼き。

「気持ち良くなってきたか……あぁ?」

 こんなことが、気持ちいいなんて筈はない。
 そう思っても、この感覚が体を追い詰めていく。

「おい、そろそろ口、塞がなくていいぜ」

 いつの間にか、気づけば口が自由になっていた。
 けれども、その唇はもう言葉を出す余裕もない。
 口を離した手は、ゆっくりと体をなぞり、フェゼントの胸を撫でる。

「あ……やっ」

 撫でるだけでなく、突起を摘み、指で押しつぶすように擦る。

「あぁっ、あうっ」

 更に突き上げる男がいつの間にか立ち上がっていたフェゼントの性器を掴んで、腰を動かしながらそれを擦った。

「やだっ、やだっ、あぁっ、んぁっ」
「やじゃねぇだろ、触られる度に気持ちいいってココは締め付けてるぜ」
「違うっ違うっ、嫌だっあぁぁんっ」

 泣きながら、フェゼントは力なく喘ぐ。

「いいぜぇ、こっちもすげー気持ちいい。そろそろ出る……」

 男の腰の動きが一気に早くなり、フェゼントの腰を突き上げる。

「あぁ、ぁぁ、あっ……」

 激しく動いていた男が、一際奥まで突き上げ、そして動きが止まる。
 どくり、と体の奥に叩きつけられる熱い感触。
 それに大きく背を逸らせ、フェゼントも痙攣するようにぴくぴくと体中を震わせた。断続的に、なおも注がれ続けるその感触に、背筋をぞくぞくと何かが走りぬけ、フェゼント自身も達していた。






「ふぁ……あ……」

 奥に突きこまれる度、自分でも意識せず声が上がる。
 前に回った手が胸の尖りを指でつまみ、コリコリと指の腹でころがしてくる。
 そうすれば、中に入った男のモノをきゅっと締め付けてしまうのは、最早反射的な体の反応だ。
 あれから、どれくらい時間がたったのか。
 最初の男に入れられてから、次々と他の騎士達にもフェゼントは犯された。
 そのたびに中に注がれた所為か、そこは今では男のモノが動くたびにくちゃくちゃと水音を響かせ、溢れるほどに濡れきっていた。もう、そこに痛みはなく、今、フェゼントが感じているのは強すぎる快感だけだった。意識は半分熱に浮かされたようにぼぉとしていて、自分で男の動きに合わせて腰を振っている事も気がつかない。

「もう、完全に出来あがっちまったな。腰ふって善がってやがる」

 もう2度は中に放った男は、少し余裕のある表情で、ゆっくりフェゼントを突き上げている。

「ん……ぁ、あぁっ……」

 フェゼントはその動きに合わせて熱い声を上げる事しか出来ない。
 足の間は、出されては溢れた白い液で濡れきっていて、男が動くたびに、いやらしい水音を立てて白い液を垂れ流していた。

「しっかし、皆だしまくるから、もう中ぐちゃぐちゃだな。おかげで滑り良くていいや」

 笑いながら今犯してる男が、腰の動きを早くする。

「あ……あんっ、もうやめ……」
「ばーか、んな気持ちよさそうな声だしてやめて欲しい訳ないだろ」

 他の騎士達も、フェゼントを見て一緒に笑う。

「じゃーもっとサービスしなきゃな」

 いうと同時に、フェゼントの口に誰かの性器が突き入れられた。

「うぁがっ、ンンッ」

 声が逆に口の中で相手の快感になったのか、耐えられないとでもいうように、すぐに男は口で抽送を始める。

「ははっ、そっちの方がサービスしてくれるみたいだな」

 笑いながら後ろを突き上げてくる者は、ラストスパートとでもいうように、乱暴に奥を突き上げる。
 その動きの激しさの所為で、口の中のものが時折こぼれそうになり、その度に余計強く喉の奥に押し付けられた。鼻を塞ぐほど強く押し付けられば、男の下肢の据えたような匂いが鼻の中に篭り、息苦しさと合わせて吐きそうになる。
 男の腹や汚いモノなんか、見たくないから目を閉じる。体はめちゃくちゃに揺らされているから、平衡感覚さえおかしくなってくる。抵抗する気力も体力もなく、なすがままに揺らされて、痛みを拒絶した体は快感だけを貪っている。

「ンぅ……ぅぁ……んんっ」

 口の中に苦い男の味が広がる。体が快感に震える。

「お、締まる締まる」

 ぶるりと尻に当たる腹が震えて、中にまた盛大に欲望の証が吐き出される。

「あぁぁああっ」

 その感触にフェゼントもまた絶頂を向かえ、口に咥えていた男のモノを吐き出して背を撓らせた。口からこぼれたソレは未だ吐き出している最中で、勢いのままにフェゼントの顔から胸を白く汚した。

「あ……あぁ……ン……うぁ」

 倒れるようにフェゼントの上半身が地面に崩れる。
 けれども、腰だけは抱えられたままで、未だに中には熱いものが注がれている。
 体の中に新たな迸りを感じるたびに、背筋をぞくぞくと震わせながら、フェゼントの口からは小さな喘ぎがこぼれた。

「さて、次は俺かな」

 中からずるりと質量が抜かれて、そしてまたすぐに他の男が入れてくる。

「はぁっ、あぁんっ」
「中もうヌルヌルだな、女みてぇ」

 滑りがいいのを確認した男は、最初から激しくフェゼントの腰を掴んで揺さぶる。
 それだけでなく、突き上げながら、フェゼントの両足を後ろから抱えるように持ち上げた。

「ほら、こうすっともっとイイだろ」
「いやぁ……いや、抜いてっ」

 体重を受け入れるその場所に掛けられて、奥深くまで他人の肉が入り込んでくる。両足を広げたまま体を持ち上げられて、そしてまた落して奥まで抉られる。
 完全に開かされた足の間では、浅黒いソレがフェゼントの中を行き来する様子がよく見えて、他の騎士達がその場所に顔を近づけてくる。

「おー、銜え込んでるのが丸見えだ。すげぇな」
「抜かれるときに、ココがひくひく動いてるぜ。よっぽどイイらしいなぁ」

 いいながら、男を咥えこむその場所を撫でた騎士は、フェゼントの腹に荒い息を吹きかけた。

「すげ、お前触ったらまた締まったぞ」

 突き上げている男は限界が近いらしく、フェゼントの腿を掴んで更に大きく足を開かせると、体を持ち上げて、奥深くまで落とすように中を抉った。

「ああぁぁっ、あ、ぁん、あぁっ、あぁー……」

 突き上げる動きに合わせてこぼれる声は、それでも既に掠れて大声にはならない。
 喉を思い切り逸らして、口だけを大きく開く。
 前で見ていた騎士がフェゼントの胸を弄り、乳首を強くつまむ。
 背中から息を飲む気配がして、直後に中にまた注がれる感覚が広がった。

「ふあぁ……あ……あぁ……」

 面白がった騎士は尚も胸を弄んでいる。それだけでなく、今度はもう片手でフェゼントの熟れた性器を掴む。
 おかげで、フェゼントは中の男がイっても気を抜くことが出来ず、胸と性器に強い刺激を受けるたびに、体にびくびくと力が入る。その度に、体の奥に穿たれた男のモノを強く感じ、またそれが質量を増やしていっていることも分かってしまう。

「やべ、あんま締め付けるから、また元気になっちまった」
「流石、若いな」

 騎士達の笑い声を耳にして、熱と快感に震えるフェゼントは、熱く喘ぎながら涙を流す。

「仕方ねぇなぁ、俺も後で抜かず連続やればいっか」
「あ、俺もな」
「あーあ、本気でガバガバになっちまうかもな、可哀相に」

 フェゼントにはもう、瞳に映る騎士達の姿はシルエット程度の認識しかない。伸ばされる手と、揺れる視界と、体を駆け抜ける快感と……。

「あぁ、あん、あぅ、はぁ……」

 自分が声を出しているという認識さえない。

「まぁ、まだ時間はあるんだ。たっぷり可愛がってやろーぜ」

 フェゼントはもう、考える事を止めた。
 何も見ないように瞳を閉じ、意識を飛ばして、ただ、終わる時を待っていた。

 だが、やがて。

「――……を、している――……を放せっ」

 聞き覚えのある声が何処からか聞こえて、フェゼントの体は放り出される。
 怒声と金属音、踏みしめる足音が地面に響いて、フェゼントの体の上に土が掛かる。
 フェゼントは、それらの響きを全て遠いところの出来事のように聞いていた。

 そして、辺りが静かになった時に、掛けられた、声。

 それは、『彼』の声だった。


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回想の割りにシーン描写が長いのは、元はフェゼントの過去話で一本書くつもりだった文章を使ったからです。
ゴミ箱行きにせずに本編で使っちゃったので、回想としては不自然だよなーとは思ったのですが、折角だし、エロが長い分にはいいかなと思って省略せずに全部使いました。……い、いいよね?


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