北海道オフロードTouring'92 5日目





8/15/1992 知床マイナー温泉巡り(^_^;)

[別海〜斜里]


# 9 何とか復活・・・(いやー,悪運がいい(^_^;))

・・・と,目が醒めたのは, 外が明るくなってきた頃で,
バイクにつけてる時計を見れば, まだ午前4時半。しかし相変わらずの大雨(;_;)
これでは中標津警察まで走っていく気にもなれず,寒いこともあって,相変わらず寝袋でうでうでしてる・・・ いつ雨は上がるんだらふ?
結局おばさんの商店が開くまでのべーとしたまま過ごして,朝は8時半頃,パンを買いがてら,
中標津警察に連絡を入れると,ラッキーにも荷物は尾岱沼の派出所に届いているとのこと(^_^;)(^_^;)
(何だかんだと,悪運はいいヤツです(^_^;))
再び生き返った気分で,おばさんにお礼をいって,バス停もホウキを借りて掃除して, (おばさん曰く,まだほんの1週間くらい前に出来たばっかりということで,子供も まだ夏休みで,ひょっとしたらあんたが第1号のお客さんだったんじゃ?とのこと)
そんなうちに雨も上がって(^_^;)(^_^;),この先どうなることかと思われたツーリングのほうも, 無事に続けることができる術となったのでした(^_^;)

尾岱沼の派出所で話をきけば,リュックは床丹〜尾岱沼間の橋の近くに落ちていたそうで,どうもヒモが弱ってるらしい・・・
そんなわけで締めかたを厳しくして,これ以上警察にはお世話にはならないことを祈って標津へと走りだしたのでした(^_^;)
(しかし,拾ってくれた人が2件とも“お礼なんかいりませんよ”と流してくれたのと キップ切られたのとで,ちょうどチャラと計算したのはやっぱし大阪商人なんやろか?)

# 10 ついに晴れた・・・(^_^)(^_^)

標津(Shibetsu)の町で,この旅で初めて普通の町の食堂に入って, どこまでも続いていそうな直線道路を走り出す・・・ そんなうちに晴れ間ものぞいて, これまでの曇りがちの気分がぐっと明るくなってきました(^_^)



そのうち着いた川北(Kawakita)という集落は,典型的な開拓集落で,基線が町の真ん中を走っていて,
北側に北一線,北二線・・・ 南側に南一線,南二線・・・
東西は東一条,東二条・・・ の西一条,西二条・・・
そう,完璧に碁盤の目になっているんですね(^_^;)
目的地は川北温泉という,山の中の露天風呂。基線をまっすぐ山に向かって右に折れたら着くとかいう 甘い読みで走っていると,当然ダートになって,クマザサがいっぱいの 道をいくら走っても温泉などという雰囲気にはならない。
・・・と,道も下りにかかったところで見つけたのが一件の開拓農家。
およそ回りには何もない山の中には珍しい。しかも赤いポストがあって,しっかり人が 住んでるらしい・・・ と,道が怪しくなったこともあって, 場所の確認がてら,訪れてみたら,ちょうど入口に 80 歳くらいのばあちゃんがひとり。
話によると, 温泉とは反対方向の武佐(Musa)という集落のほうに走ってしまったらしい。
ばあちゃんは旦那さんを4年前になくして,以来ひとりで住んでるそうで,
“寂しくないですか?”との問いに“ここがいちばん落ち着いて過ごせるから”との 返事。
たぶん町に出てる子供は,ばあちゃんにも町に来て欲しいんだろうけど, ばあちゃんが元気なうちは,この家で頑張ってもらおうということで,こんな山の中に いるんだろうなあ・・・とか,余計なお世話なことを考えてたら,
お“あんた何ていうの? 私はアオキだけど・・・”
H“はあ・・・ アサハラといいます”
うん,また中標津の方に行くことがあったら,是非もう一度会いに行きたいもんです。 覚えていてくれるかな?ばあちゃん。



# 11 知床マイナー温泉巡り(^_^;)

記念の写真を取って,ばあちゃんと別れて武佐の集落の方に走って,川北の北四線まで戻って, 再び温泉にチャレンジ。
地図でも道が半端じゃなく曲がっていると思ったら,ほんとなかなかたどりつかなくて, 途中枝道があったりで,路面の状況を見ながら,石の質がやばいところは引き返したりしながら, 何とか川北温泉にたどりついたのは,川北の集落を出てから2時間半後の午後2時過ぎ。
山間の一軒宿の跡という,白い湯の露天風呂は,地元の人をメインにそこそこ流行って いて,とにかくいい天気で,日差しを浴びながら,前日風呂に入ってなかったこともあって, 上々の気分でした(^_^;)
(因みに完全に男女別になっていて,管理人さんなんかもいるという,山の中の露天風呂にしては, 珍しいくらいの管理体制なのでした(^_^;) キャンプを張ってる人なんかも 3組ほどいたようです)

川北温泉は,反対側の R.244の方から行けばどうということなく行けるんですが (ダートを 5kmほど走るだけで到達します),こういうところに来ると, 土地勘を試したくなるいうのが常で・・・(^_^;)
さて, R.244 を挟んで反対側に10kmほどいったところに薫別(Kunbetsu)温泉という, 地図にはあまり載っていない温泉がありまして, ここも海沿いの R.335から登るいうのがパターン なんですが, R.244 からのダートを走ることにしました(^_^;)
このダートがいい道で, 起伏があっても一直線で見通し抜群という, ちょっとないノリで・・・
荷物を入口のところに置いたこともあって, ダートの最高速 95km/h を記録したのでした(^_^) (こけたらえらいことです(^_^;))
R.355 方面との分岐で, 偶然温泉帰りらしいバイクと擦れ違ったので
“薫別温泉はあとどれくらいですか?”ときけば,彼は折りよく地図を渡してくれたのでした(^_^;)
地元の派出所が発行してるらしい詳細図には,いっぱい枝道が書いてあって迷わず行けたのは, 彼のおかげだったかも知れません(^_^;)
たどりついた薫別温泉は,“こんなところに温泉があるんだー”という山の中でして, 道から川に沿ってかなり下りたところに,忽然と岩をくりぬいた温泉がある・・・
岩をくりぬいた湯舟は, 4人入ればいっぱいいう小さなもので,脱衣所もないので, ちょっと入りにくいわけですが,水着をきた家族連れが上がるまで待って, その前から入ってた山歩きの札幌のおじさんと,一緒に待ってた地元風のおじさんと, 3人で,裸で悠々と温泉を楽しむのでした(^_^;)
札幌さんは元気で,横に流れている川に入って,泳いではまた温泉に戻ってくるという 離れ業を続けていて,結構気持ちはよさそうなんですが,この川の冷たさが半端じゃなくて, 足をちょっとつけただけでめげてしまいそうになる。
おまけにこのとこの雨続きで,川の水が多いんだわ。深いところじゃ 3m はありそう・・・
やがて, 札幌さんと2人になって,写真なんかも撮って,1時間も経ってくると,
“これは一度やってみなければ・・・”となり,果敢に川泳ぎもやりました。 冷たいというより,流れに巻かれないように必死だったというか・・・ とにかく温泉に戻ったときは,身が軽くなったような気がしました(^_^;)
後で愛知から4WDで来たお兄さん2人は,ちょっとだけ温泉に入って,1時間以上前 からいた2人より先に帰って行きました(^_^;)
(そういえば,私が来る前から,帰るときまでずっと居た札幌さんは,何時間温泉に つかっていたのでしょう?)

# 12 無事(でもないが(^_^;)),「風の子」に到着

そんなわけで,薫別温泉を後にして,ダートではさっきの愛知の4WDをあっという間に追い抜いて(^_^;), R.244 を逆側の斜里(Shari)に向かって走ります。
斜里には高田馬場で馴染みの飯村さんという方が,夏の間だけの民宿をやっているということで, ほとんど予約などない中,この日と次の日は1週間前に電話予約していたんですね(^_^;)
(思えば,根室のかじかさんところもキャンセルしなけりゃよかったなあ・・・)
途中,根北峠(Konboku-touge)のてっぺんでキタキツネと遭遇しました。 平気な顔で走り去るクルマを見てるもんだから,折り返して近付いたら山の方に走ってしまいました(^_^;)
(このあたりは,カッパエビセンを食べるらしい,知床のキタキツネと違うところです)
民宿「風の子」には,ちょうど日暮れくらいについて,飯村さんはじめ, 東京でも馴染みのヘルパーの鴨さんやら,飯村さんの次男坊のユキちゃんやら, 知ってる顔に囲まれて, ちょっと戻ってきたいう気分にさせらてたのでした(^_^;)
あと,宿には神戸からのこの宿の常連という同じBAJAの仲井さんと, 島根ナンバーの元気な若い衆2人。なぜか女の子は居なかったのでした(^_^;)
飯村さん曰く,“昨日は男3人に女4人で,賑やかにしていた”とのことで・・・
鴨さん曰く,“昨日の「赤い屋根」は5周年祝いですごかった”とのことで・・・
んー,何かこの夜は祭りのあとのような空気が流れている。
“えっ,アサハラくんは昨日はバス停だったの? いやー,硬派な旅だねー”という 飯村さんのコトバがこの夜の私を完璧に現している気がしました(^_^;)
いや,とにかく昨夜の心細さと比べたら,天と地くらいのいい気分で,ジンギスカンを食べて, 明日の鋭気を養うべく早い目の時間の就寝となったのでした。



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