■ ナッシュビルへ

翌朝、シャワーを浴びてからチェックアウト、ぼんやりしててデータ満載のデジカメを危うくベッド上に置き忘れそうになりました。アブネェ〜。フロントでタクシー呼んでもらって空港へ。他に用もないのに3日も滞在したサンアントニオ、郊外ののどかな風景を眺めつつちょっと寂しさを感じたりしながら、次回ツアー日程に入ればまた来たいなと思いました。空港のチェックインカウンターには、誰がどう見てもRSファンのヨーロッパ人4人組がいました。恐らく今日は同じルートでナッシュビルまで行く予感。また、搭乗ゲート付近に、3日前オヘアの搭乗ゲートでもみかけた日本人と思われるカップルがいました。

飛行機は予定通り出発、いったんオヘアに行き、そこから1時間ほど後のナッシュビル行きの便に乗り換えです。そして、このナッシュビル行きの搭乗ゲートで、さきほどのヨーロッパ4人組は当然として、日本人風カップルもまたまたいたのです。こりゃ、この2人もストーンズだなと確信しました。しかし、ちょっと日本人らしからぬ百戦錬磨かつ枯れた風貌に、なかなか話し掛けることができません。次の便に乗り込むと、同じ最前列通路越しにお2人が座ってて、会話が日本語だったので日本人と確信しました。離陸したら話しかけようと思ってたら、ドアのトラブルらしくグラウンド要員が乗り込んできて修理を始めたりして、なかなか飛び立ちません。最前列ってこともあって修理がうまくいかない様子がよくわかりました。「ダメだコリャ」。実は今回の旅程でも、どうせどこかで飛行機の遅れがあるだろうと予想していたんですが、見事に的中。結局、いったん飛行機を下ろされ、搭乗ゲートに戻されました。

ここで件のお2人に声をかけ、いろいろと伺いましたが… なんと、ほぼ全部のショウを見て回ってるそうです。しかも、今ツアーだけでなく、SWツアーから!アメリカだけでなく、ヨーロッパも!そして彼らは、別に関係者ではなく単なるファンですと。あの、ド田舎オクラホマにも、ソルジャーフィールドにも、ドジャースタジアムにもユナイテッドセンターにも、もちろん居たとのこと。世の中、広い…というか、たかだか数回の海外観賞でいい気になってる自分がなんてちっぽけなんだろうと、目からウロコが落ちる思いでした。デビューから聴いてるとのことから、私より15歳ほど年上なんでしょうかね。そんな「偉業」を成し遂げているに関わらず、非常に謙虚で穏やかで礼儀正しい姿に、マジで尊敬しました。ぜひ養子にして欲しいと思いましたもの。(年食いすぎだっての、自分) なによりも、パートナーで同じ楽しみをわかちあえる姿、呼吸の合った仲のよさが、今の自分には非常に羨ましかった。

さてそんな素晴らしい出会いと楽しい会話ができたおかげで、代替機が手配されたのは結局4時間後だったけど苛立ちもほとんどなくナッシュビルに向かうことができました。機内では「おわび」とのことで通常は有料なアルコール類も無料サービスされ、昼間は飲まないつもりだったのにノリのいい客室乗務員の勧めるまま2本のビールを空けました。また、予定飛行時間1時間半のはずが、1時間もしないうちにナッシュビル国際空港に着いちゃいました。遅れたといってもまだ夜7時です。

空港でタバコを一服してから移動するというお2人に、「また合いましょう」と名乗りあって別れ、1人でダウンタウンのホテルへ向かいます。ホテルでチェックインしてると受付嬢に「あなた、ローリングストーンズ見に来たわね」と指摘されます。「ん、わかった?実は昨日はサンアントニオで見たよ」と言うとたいして驚きもせず、「同じような人たちが大勢泊まってるわよ」と笑ってました。体のどこにもベロ付いてないしヒョウ柄でもないのに見抜くとは…。そう、このホテル、会場のゲイロードセンターのすぐ隣なんです…。

…旅行計画時にゲイロードセンターの広報担当者に近隣のホテルを尋ねたら、「多くのホテルが会場に歩いていけるけど、ココとココは隣よ」といって教えてもらったとこです。本来なら昼間に着いて少しウロウロしようと思ってたのですが、部屋に行ってみるとすごく良い部屋で、リラックスてしまい風呂に入ってルームサービスでスペアリブと地ビール頼んでくつろいでしまいました。このホテルは部屋もよく接客もよく、またこの時期に通常価格だったこともあって非常に好印象です。(コンサート時、会場近くのホテルはボッタクる場合も多い)

左がゲイロードセンター、右がホテル翌日25日は遅めに朝食をとり、昼過ぎにまずはチケット確保に隣の会場へ。しかし近い。ホテル玄関から30秒も歩けば会場の入り口って感じです。こんなラクチンなとこに泊まれるありがたさをかみしめます。

会場周りは、まだまだストーンズっぽくないです。Will Call窓口もひとつ空いてるのみで、かといって2人ほど並んでるだけでした。しかも前のオッサンは別の日のスポーツイベントの前売りを買いに来てたし。窓口で「ストーンズのWill Callプリーズ」といってパスポート見せるだけで、難なく入手。本日は$150のスタンド席です。…この公演も1回キャンセルになってからはあわてず毎日席チェックしてたのですが、あまりいい席が残ってないうえにそんな席でもどんどん売れていっててかなりあせってたのです。で、ある日比較的マトモな今回の席が出てきたのでつい買ってしまったのでした。しかし、公演日2週間ほど前に試しにTM覗いてみたら、フロアーの前のほう(もちろん$300ではあるが)が出てるではないですか!ちょっと、早まったかなと感じました…。(まあ自分の$150の席も決して悪い位置ではないのですが)

チケット手に入れ、隣接する観光案内所を覗いてみました。ナッシュビルはカントリー音楽の町、ギブソンの町、ジャックダニエルの町…って印象。そのまま近くをウロつこうと思ったのですが、意外に寒く、ジャケット取りにいったんホテルへ。なんと便利なホテルだ。上着を着込んでから再び出発。カントリー音楽の殿堂や、それなりの名物があるのですが特に興味もなく、川沿いの公園に行ってみました。平日昼で曇ってて寒いこともあって、他に殆ど人はいませんでした。しかし、この川沿いの風景がミョーに心に染みました。営業してない観光船のりば、閉まってる売店、殺風景な工事現場…なんか、「つげ」っぽい雰囲気すら感じ、けっこう良かったです、私的には。

ダウンタウン(アーケード) 寂しい風景と筆者

アーケード街(たいしたことない上にすぐ閉まる)やギターショップ、みやげ物店なんかを覗いて、少しのみやげ物と自分用(コンサート用)にビョウの売ってあるベルトを買って、いったんホテルに戻ります。(ちなみにベルトは中国製。知ってて買いましたが)ノドが渇いたのでビール買ってきて、飲んでたら腹が減ってきたのでBURGER KING買いにまたアーケードの方へ。坂道をとぼとぼ歩いてるとどこかで「コバヤシく〜ん」と呼ぶ声が。道の向こうであのお2人が手を振ってるではないですか。
合流していろいろ話聞いたら、彼らもヒルトン(自分のホテルです)泊まりたかったけど満員でダメだったそうです。世間話をしつつ街中を歩き、ご一緒にバーキンで食料調達して、「んじゃまた」ってことで別れました。バーキンは一時期日本にも店舗が多くあったのですが、残念なことに昨年撤退してしまい、それ以来アメリカ行ったら一度は味わうことにしてるものです。

このロケーションなら場内暗転してから部屋を出ても間に合いそうな安心感もあって、いつになくリラックスした夕刻、ゆったり風呂なんぞに浸かって、懐かしいワッパーとビールを味わい、だんだん時刻も良くなってきたのでした。いくら近くても早めに行って会場内をウロウロしたくなる習性、7時前には支度(新しいベルトも着用)して部屋を出ます。ホテルのエレベータでも数人のファン(いい大人たち)と乗り合わせます。「Going Down」「そりゃエアロじゃん」なんていうやりとりを聞きながらロビーに。あたりはストーンズファンや関係者と見られる人物がかなりいました。ホテルのレストランはストーンズの曲をガンガンかけ、会場前ではFM局のテントでイベントやってたりしてもりあがってます。軽く会場外の売店をチェックし、入場。ここもサンアントニオも、チケットはバーコードをリーダーでチェックするのみで「もぎり」はなかったです。

会場の規模、内部の雰囲気はサンアントニオと似たようなものでしたが、幾人か日本人とおぼしき人もみかけました。連れが外人だったりして、現地在住っぽかった。残念ながら、例のお2人には会えませんでした。ホテルを出る時点ですでにほろ酔い気分ではありましたが、とりあえずビールを買い席チェック。ステージほぼ正面ややロニーよりのスタンドで前から5番目です。前列の人も邪魔にならないしステージ全体が見渡せるまずまずのポジションでしょう。センターステージもすぐそこだし。ビール飲んじゃってまたロビーに。思い立って、会社のRS仲間のみやげ用にとグッズカタログを集めました。どの売店も大混雑でカタログもなくなってるところが多かったのですが、なんとか4部を確保、買い物してないけど袋も頂戴しちゃいました。しかし、回を重ねるごとにカタログが立派になっていく…ツアーパンフと見まごうばかりの立派なつくりです。なおサンアントニオでもらったぶんは、センターステージ演奏中にグチャグチャになったんで捨てました。

今回も難なく持ち込んだデジカメ(with New電池)で、いろんなゲートからいろんな角度で会場内を撮り捲ります。前回は気づかなかったですが黄色い気球が飛んでました。そういえば、サンアントニオはセンターステージから客席集音用のマイクがセットしてありましたが、ここにはなかったです。SATのライブ盤出すのかな?

ゲイロードセンター会場内部 電光掲示板

ロビーで人々を眺めてたら、閉鎖されているガラスドアの向こう(会場の外)に黒人に兄ちゃんがいて、ガラス越しに中を伺ってて、警備員がヨソを向いてるスキに不法侵入を決行、見事に入ってきました。一部始終を見てた私に「やったゼ」ってな感じでウインクし会場内部に消えて行きました。やるね、ブラザー。自分が中学生のころ、地方巡業のプロレス興行会場の裏口からなんとなく会場内部に入れてしまったとき味わったドキドキ感を思い出しました。

今日は前座も見てみるかってことで、席に戻って待ってると程なく前座開始。たぶん、サンアントニオと同じ連中だと思います。(すいません、全く知らない人たちでした。フツーのロックやる若い連中でした。記憶に残ってないです〜)1時間弱でしょうか、「ローリングストーンズ楽しんでネ」とかいって前座終了。席も埋まってきてみんな盛り上がってきます。開演時間がだいたいわかってるので、またビール買って飲んでギリギリにトイレを済ませ、9時に席に戻りました。あと10分位かなと思ってるとイキナリ暗転してしまったのでした。今日は早い!

開演

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