10月例会は、5年ぶりに復活した京都SFフェスティバル合宿での開催です。 まずは渡辺英樹さんから。渡辺さんは定年後、SFに関する文献を集めたSF資料館を構想していましたが、国立国会図書館が絶版本のデジタルアーカイブを公開したことで、対象を散逸しやすい60~90年代のファンジンに絞ります。> > 渡辺さんの構想は以下の通りです。 ・紙のファンジン・イベント記録を収集しデジタル化 ・公開できるものと公開できないものに分け、公開できるものをネットにアップロード ・希望者に対してはパスワードを発行し閲覧のみ許可 ・NPO法人化し後世にも続くようにする ・運営資金と紙資料の保管場所については寄付を募る > 一方、岡本俊弥さんは、すでに70年代神戸大学SF研の会誌や過去の京フェスの紙資料、池田憲章さんの特撮ファンジンなどを電子化しています。岡本さんは電子データ優先の立場で、綺麗にスキャンするためなら紙資料を裁断してもよいし、電子化後は廃棄するのもやむを得ないと言います。岡本さんによれば、持ち主が亡くなったあと、商業出版物なら古書店経由で流通させることができるが、ファン出版はそれができないので、遺族が持て余して廃棄してしまう恐れがあるそうです。 このほか、石原藤夫さんが手元の膨大なファンジンコレクションをデジタル化したほか、山本浩之さんは柴野拓美さんからSF大会関係の資料を寄贈されており、七里寿子さんや森東作さんもファンジンのデータベースを作っています。> しかし問題は、これらの動きが個人の範疇に留まって組織化されていないことにあります。以前ファン活動をしていたが今は離れてしまった人の手元に貴重な資料が眠っている可能性もあり、それをどう呼びかけて発掘するかという課題もあります。また、国立国会図書館には納本制度があり、納本すればファンジンでも受け付けてくれるそうですが、個人情報の取り扱いが厳しい昨今、ファンジンが保管されたからといってそれが閲覧できるかどうかは別問題となります。 時間的な制約もあり、各自の現状報告と今後の課題の確認で持ち時間が過ぎてしまいましたが、とりあえずプロジェクト名を「SF第二ファウンデーション」とすることだけは決まって幕となりました。
Powered by FormMailer.