SFファン交流を考える会
2004年:月例会レポート

 ■6月例会レポート by鈴木力

■日時:6月12日
■会場:神宮前区民会館

●テキスト:武田康廣『のーてんき通信』ワニブックス
●ゲスト:神村靖宏氏(DAICONFILM)

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今回は『のーてんき通信』をテキストに用いての読書会。当時をよく知る神村さんのお話を交えつつ進行しました。
神村さんのお話で印象的だったのは、DAICONFILMやDAICON4では、個々のスタッフのコネや特技がフル活用されていた、ということ。高校時代の部活動の経験を生かして素人ではとても買えないものを大量に購入したり、出版物の作成にあたって友達の友達でスキルのある人物を呼び寄せたり……といったことが相当あったそうです。

当時のDAICONの中心に、今では名だたるプロとなっている才能が終結していたことはよく知られていますが、それだけではなくスタッフひとりひとりの知恵と工夫もまた大会や自主製作映画を支えていたのだなあ、と感じるものがありました。

神村さん、貴重なお話をありがとうございました。
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 ■7月例会レポート byみいめ

■日時:7月10日(土)
■企画:浅草寺のほおずき市に遊ぶ

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 有志を募り、浅草寺ほおずき市に行ってきました。
今回、昼間の縁日から夜の浅草までじっくり楽しめるよう、遅めの集合となりました。

 この日お詣りすれば、四万六千日分というので、人混みにめげず皆でお詣りし、舟和の甘味にヨイシレたりと、まず昼間のほおずき市を楽しみました。
早めの夕食をドジョウ屋でいただき、いざ夜の浅草へ。

 縁日の夜店に混じってたつ飲み屋の盛り上がりや、浴衣を着た人が目につくほどになったせいか、いつの間にやらほおずき市の周辺は、なんだか昭和一桁にタイムスリップしたような景色になっていました。
 人混みの中を歩いていると、自分たちも50年前にいるような不思議なキモチになり(わ〜、タイムトラベルSFだ!)、ワクワク体験しちゃいました。(何度も浅草に来てるけれど、こんな経験は初めてでした)

 また秋に、浅草にタイムスリップしに行きましょう! と意気投合し、解散となりました。

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 ■8月例会レポート

■日時:7月10日(土)
■会場:第43回日本SF大会「G-con」内

●企画:大会自主企画"ファン考「G-con」出張版"
   あるSFファンのあゆみ・名古屋ファンダムの重鎮に聞く
●ゲスト:若尾天星氏
 (8月は定例会はお休みとなりました)
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 8月例会は、今年のSF大会の企画の一環として催された。
 ゲストとしてお越し頂いたのは、中部ファンダムで30年以上に亘って活動し、柴野卓美賞も受賞された若尾天星氏。そのSFとの出会いから現在までを語って頂く予定だった。
 鈴木の感想は「断片的に話は聞いていたが、まさかこんなに凄い方だったとは」。

 昭和40年代前半にSFを読み始めた若尾氏がまずしたことは、石原藤夫の『SF図書解説総目録』を入手すること。これを元に古本屋周りを始めたそうだ。「僕が興味あるのはビブリオグラフィ」と断言する氏だが、天性のコレクターというのはいるものだと深く感じ入った次第である。
 さてそうするうちに商業出版物のみならず、ファンジンも氏の手元に集まってくる。「ファンジンは面白いものでね、あっちの人から『××』ほぼ全冊、こっちの人から同じ『××』をほぼ全冊貰い受けても、決してコンプリートにはならないんです」と眩暈のしそうなことをサラッと口にする。

 現在は、手元の膨大なファンジン/ファン活動の資料の整理に取り組んでいる若尾氏だが、今回もファングループ連合会議創設時の議事録など、貴重な蔵書の一端を拝見させて頂いた。
 この他にも1979年のMEICON3における力技のスタッフ勧誘活動(名古屋周辺のファングループに片っ端から入会し、関係者をみんな召し上げた!)などもお伺いしたが、残念ながら時間切れ。予定と違い、現在どころか25年前の時点でストップしてしまった。しかし、機会があるならもう一度話を伺いたい、と思った。

 ともあれ、若尾さん、どうも有難うございました。

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 ■9月例会レポート by鈴木力

■日時:9月11日(土)
■会場:
●企画:海外SFを読む——アンサンブルの活動
●ゲスト:細井威男氏(アンサンブル)・向井淳氏(同)
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 「アンサンブルに中心なんてないんですよ」と、細井氏は断言した。
 今や海外SFの紹介者集団として『SFマガジン』にも多数のライターを提供している「アンサンブル」。しかしその有り様は、「関西海外SF研究会」や「ぱらんてぃあ」など先行する海外SF紹介ファングループとはいささか異なっていた。

 元はといえば、京フェスをきっかけに細井氏らが「卒業後もSFの話ができる所が欲しい」と始めた「アンサンブル」。ネットで呼びかけた例会に集まったメンバーが最初の顔触れだった訳だが、その後の展開は、たとえば求心力のある人のもとに人材を呼び寄せていったというよりも、むしろ友達が友達を誘うかたちで膨らんでいったもののようだ。
 そこが、神戸大四天王を擁した「関西海外SF研究会」や小川隆氏の個人誌からスタートした「ぱらんてぃあ」とは決定的に異なる点だ。

 鈴木個人として考えさせられたのはメーリングリストの存在。MLにおける参加者の発言は、すべて等しく他の参加者にも閲覧される。そこに中心は存在しない。
 このようなメディアの変容は、ファンダムの持つファングループという旧来の概念そのものにも影響してくるだろう。今更ながら、そのことを思い知らされた。

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 ■10月例会レポート by鈴木力

■日時:10月17日(日
●企画:2004年度ワールドコン報告
●ゲスト:おのうちみん氏・尾山ノルマ氏・野田令子氏
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「英会話が出来なくってもワールドコンには行ける!」
今回の例会は、今年のワールドコン・ノリスコンのレポートでありながら、同時に「教科書では教えないワールドコン参加ノウハウ」の様相を呈した。

「ワールドコンに参加するためにまず必要なのは休暇」という野田令子氏の言葉に始まって、事前準備、必要な資金と手続き、あちらの参加者・ゲストとのコミュニケーションの取り方、果ては期間中の食事のコツに至るまで、微に入り細に渡るレクチャーが行われた。

私が何より打たれたのは、お三方のワールドコンに対する惚れ込みようである。その言葉の端々に「私たちの言葉を信じてくれ、そしてワールドコンに参加してくれ、絶対いいことあるから!」という宗教の伝道者にも似た情熱を感じた。カネとヒマとコトバの問題からワールドコンへ参加することを見送ってきた私ですら「行っても……いいかな」と心が傾いた。

野田氏は近く、このテーマでファンジンを発行する予定という。期待したい。

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 ■11月例会レポート by鈴木力

■日時:11月27日(土)
●テーマ:現役生に聞く大学SF研の今——東洋大の場合
●ゲスト:石井龍氏・古川瑤亮氏・三宅悟氏・山口翠氏(以上、東洋大学SF研究会)
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おたく文化の浸透、相次ぐライトノベル本の刊行など、大きな文化的変容がおきつつある今、現役大学生たちはSF研でどんな活動をしているのか。今回は、東洋大SF研の4氏を迎えてその実情を聞いた。

とは言うものの、東洋大の活動は意外とコンサヴァティヴ。読書会、合宿、学園祭、会誌の製作。部室には約400冊のハヤカワ文庫が蔵書としてあるといい、読書会のテキストも、ライトノベルなどはあまりなく、スタージョンやウィリスなどSFの王道を行くセレクションだった。

可笑しかったのは、東洋大には幻想文学研究会というサークルも存在しているのだ
が、実はメンバーはSF研と全く同一。SFという間口から入っても、幻想文学という間口から入っても、結局は両方のサークルに所属させられてしまうという、戸籍上だけの偽装結婚みたいなことになっているのでした。

いまサークルで問題となっているのは、同会が毎年刊行している『ハヤカワ文庫SF年鑑』の今後。1シリーズは毎年同じ会員が書評を担当する決まりがあるのだが、シリーズものが増えているため、書評の分担と後任への引き継ぎをどうするのかが悩みの種という。ちなみに現在ローダンを担当する三宅氏は、前任者から「ローダンっていう凄く面白い小説があってさあ」と力説され、引き継ぐことを決心したそうだ。
「ダマされた」とは三宅氏の弁。

今回は東京大学新月お茶の会からも3名の現役生が参加、初対面の東洋大ともいろいろ話し込んでいた模様で、大学SF研は健在との印象を残した例会だった。

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 ■12月例会レポート by鈴木力

■日時:12月11日(日)
●企画:国立科学博物館新館見学、および忘年会
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12月は毎年恒例の忘年会。ただ今年は、11月にグランドオープンした上野の国立科学博物館が面白そうなので、飲みに行く前に見学してみようじゃないか、という話になった。

見学会には生物学に造詣の深い野田令子氏にも参加いただき、学芸員そこのけの「濃い」レクチャーを聞きながら見学できたことは、なかなか楽しかった。

しかしこの新館、予想以上に奥が深い。半日だけでは到底回りきれないほど展示が充実しているのだ。3時間かけて、我々は全展示の3分の1くらい、それも上っ面を舐めた程度で終わってしまった。
リベンジの意味も込めて、上記の通り新年会の前に、また新館の見学会を催す予定である。今度は前回足さえも踏み入れられなかったフロアを中心に回るので、前回参加された方もぜひどうぞ。もちろん新規参加も歓迎です。

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