※この文中には性的表現が含まれています。読む場合は了解の上でお願いいたします。 【13】 「あ……っ……ん」 気を失った訳ではなかったが暫くぼうっとしていて実質的に意識が飛んでいたシーグルは、体の中に何かが入ってきた感触で正気に戻った。 「お、いっ、何やってるんだっ」 言うと同時に足を上げようとしたらまたセイネリアに掴まれた。本気で足に力を入れても当然ながら動かなくて、シーグルはこちらの下肢にいる男を睨むしかない。 「ついでだ、もう一回くらいイカせてやろうと思ってな」 しかも本人は悪びれもせずそんな事をサラッと言ってくるのだから堪らない。 「もういいっ、十分だ」 「だが入れただけでこちらは少し反応してきたぞ」 そういって指を入れたまま、セイネリアはシーグルの性器にキスしてみせた。当然シーグルの顔はかっと熱くなる……のだが。 「どうした? 急に締め付けて」 分かっているくせに笑ってそう言ってきたしたり顔の男に、シーグルは頭に来て怒鳴りつけた。 「指を抜け、手を離せっ、今日はもう付き合わない、俺は寝るからなっ」 言っても彼は指も抜かなければ足も離さない。それどころか持ち上げた足の付け根にキスして、そこから舌を出して膝まで唾液の跡を付ける。 「おいっ、だから何やってるんだっ、離せっえ……あっ」 シーグルが抗議すれば、中に入った指が暴れ出す。ぐちゅ、ぐちゅ、と卑猥な音が指の動きに合わせて鳴る。 「やだっ、今日はもう……寝る、からなっ」 こちらの足首近くを持っているセイネリアはそのまま更に足を開かせて、今度は舌で膝から脛を通って足首までを舐めていく。シーグルは空いている片足で彼の背中を蹴ってみたのだが、ムカつく事に彼はまったく動じていない。 「やだ、馬鹿……あ、……離せっ……ん、んっ」 指が更に乱暴なリズムで体の中を突き上げてくる。彼のモノが入ってくるよりはずっと楽とはいえ彼の指は長くて太い。強い男の手に相応しい節くれ立った硬い指が体の中を激しく行き来して中で暴れている。 「は、ぁ、あ、あ……ぅ」 懸命に声を抑えようとしてまた身を捩ってシーツを引き寄せれば、ちゅぷっと濡れた音がして親指が彼の口の中に吸い込まれた。念入りに足の親指を吸いながら、彼の指の動きは早くなっていく。 「や……馬鹿、何やって……あ、んんっ」 完全に熱がまた上がって来てしまえばシーグルに出来るのは耐える事しかない。とはいえ、耐えても無駄な事も、そもそも耐える意味がない事も分かってる。ここまで来てもうやめろと言うバカバカしさは分かっているからシーグルはやけくそのように叫んだ。 「セイネリアっ、指は嫌だっ、どうせならちゃんとお前でイカせろっ」 そこでピタリと彼の指が止まる。 だからそうっと顔を下に向けて彼を見れば、嬉しそうにこちらを見ている男と目が合う。途端、また頬が熱くなったが、シーグルは彼に向けて手を広げると言った。 「今日はこれで最後だ、だからちゃんとお前をしっかり感じたい」 セイネリアの琥珀の瞳が満足そうに細められる。同時に彼の体が伸びあがって近づいてきて、こちらの体を上から覆う。真上にある彼の顔を見つめればシーグルももう観念するしかなくて、ゆっくり降りて来た彼の体を抱きしめてキスを受け入れた。 「愛してる、シーグル」 「あぁ、愛してる、セイネリア」 唇を合わせて、舌先を触れさせて。 強く引き寄せるように彼の背を抱きしめれば彼の顔はこちらの顔の横に落ちた。 「愛してる」 耳元で囁かれた声に、シーグルは目を閉じて応えた。 「愛してる」 そうして再び中に入ってきた彼を感じて、シーグルは腕と足と全身で彼にしがみついて彼を感じた。 --------------------------------------------- やっぱシーグルからの愛してる、もないとね! ってとこで短いですが物語のキリの関係でここで切ります。 |