※この文中には性的表現が含まれています。読む場合は了解の上でお願いいたします。 【11】 「ウィア、その……自分で脱ぎます、けど」 「いーんだよっ、ちょっとボタンの位置が分らなかっただけだから」 ベッドに寝転がったままキスをして、笑みを交わして、それから服を脱がし合ったのだが、困った事に寝転がって向かいあった状態では相手の服を脱がしにくい。それでもウィアはいつもの神官服だからフェゼントは手探りだけで簡単に脱がせてしまったのだが、ウィアの方はフェゼントのジャケットを脱がせたところまでは良かったものの、その先のベストでちょっと手こずって、更に今シャツで苦戦していたりする。 「あのウィア……無理しなくても」 「だいじょーぶだよっ、鎧脱がせるのに比べたらこんくらいっ」 フェゼントは今はまったく冒険者として仕事をする事がなくなったから、まず滅多に鎧やらの装備は着けなくなった。だからウィアとしては抱きつきやすくなって脱がせやすくなっていい事だらけではあるのだが、神官服で正装扱いになるウィアと違って、城に出入りするのだからフェゼントの恰好は当然貴族様らしくそれなりにきちんとした服装になる。しかも高い服だと分かっているからやけになって乱暴に扱える訳もなく、微妙に気を使いながら手探りで……となると、あれこれ重ね着しているフェゼントの恰好はかなりウィア的に脱がし難かった。 だからとっくに自分は上が裸であとは最後のズボンだけ、という状態でフェゼントの服と格闘する事になる訳でちょっと情けなさに焦ってしまうのだが、そうするとまた失敗したりして上手くいかないのだ。 それでもやっとフェゼントの上を裸にする事に成功すれば、嬉しくてウィアはとりあえず彼に抱きつく。今度は肌と肌で互いの体温と感触を感じられて、それが嬉しくてまたキスをする。何度も何度も……本当に、自分達がこうして行為に至る時に終わるまで一体何回キスをしているんだろうと呆れるくらい、気づけば彼と唇を合せている。肌を重ねる度にキスの回数は増えているんじゃないかと思うくらいだ。 ベッドの上で寝転がったままキスをしていれば、身体全体をぴったりと擦りあわせる事になるのは自然な流れで、そうなればちょっと反応している股間同士が触れてしまって更に興奮が高まる。 だから次に唇を離したところで、今度は唇ではなくどちらともなく相手の首筋に口づける。それから鎖骨に、肩に、そうして胸にキスをして、そこで朱くある小さな突起を軽く吸って愛撫する。あ、と吐息のような声が聞こえて、フェゼントの腕が自分の頭を抱きしめるように回される。ちょっと悪戯心を起こして甘噛みすれば、びくんと彼の体が震えてその手がウィアの頭を掴む。そこからまた舐めてもう片方の乳首を指で弄り出せば、フェゼントはウィアの頭を少し乱暴に撫でだして、まるでこねくり回すようにしてきて、ついでにウィアの髪を縛っていた紐を解いてしまった。 「は……ぁ……ウィア、狡い、です」 喘ぎながらフェゼントがそう言って、ウィアの髪をわざとぐしゃぐしゃとかき混ぜてきた。 「ちょっ……フェーズ〜」 たまらず顔をフェゼントの胸から離してしまえば、今度は彼の方がウィアの肩にキスをしてきて、そのまま舌をすっと滑らせて胸を舐めてくる。 「いや、俺は……いいってぇ……」 「だめです。今日はたくさん私が貴方を愛してあげるんですから」 そう言われたら拒否なんかできなくて、思わず彼の頭を掴んでいた手から力が抜けてしまった。うん確かにそうだ、愛して欲しいっていったのは俺だし、今日はちょっと甘えてもいいかな――なんて考えて、目を閉じてフェゼントが与えてくれるだろう感覚を待つことにした。 滑る感触……恐らくフェゼントの舌が、胸の中心をすいっと通過する。そのまま下に下りそうだったから少しほっとすれば、不意打ちのように右の尖りを舐められて、それにびくっとしていればすぐに反対側も舐められた。 「あ……え? ……んぁっ」 思わず背を曲げれば、フェゼントの舌は今度はウィアの耳の下あたりにあってそこの肌を吸い上げるから耳にちゅ、と吸う音がする。それにくすぐったくて首を竦めれば、フェゼントが両手で胸を撫でてきて両方の乳首を指で摘まんだ。 「あ……ん、ぅ、ん……」 フェゼントの唇は首筋を吸って、うなじを吸って、頬を吸う。その度にちゅ、ちゅ、と音が耳に直で入ってくる。それと同時に彼の指はずっとこちらの胸の尖りを指の腹で擦ったり摘まんだりしてくるのだからウィアとしては堪らない。 「フェ、ズ……もう、いい、から」 だからそう言って許してもらおうとするのだが、フェゼントの笑っている気配は返るものの手も唇も止めてくれる事はなかった。与えられる小さな刺激にウィアの体はベッドの上でどんどん体を縮めるように丸くなっていく。完全に丸くなってしまえばフェゼントも胸を触れなくなったのだが、唇は相変わらず耳の傍辺りをちゅ、ちゅ、と吸っていて、ウィアとしては全然逃げられた気がしない。しかもフェゼントは空いた手を今度は背中へ回してきて――。 「う、ひゃぁあぁう」 背筋をすいっと上から下まで指で辿られたから、ウィアは背を反らしてベッドのうえでじたばたともがいてしまった。 それにはやっぱりフェゼントの笑った気配が返って、ウィアは顔を真っ赤にしながらも口をへの字に曲げて彼を睨んだ。 「フェーズ―」 抗議代わりに名前を呼んでみて、それで改めて何か言おうとしたウィアだったが、気づいた時にはフェゼントの顔は胸よりもっと下に下りていた。 あ、まずい、と咄嗟に思ってももう遅いというもので、フェゼントの頭は既にウィアの股間にあって、ウィアは自分の性器が温かい粘膜の中に引き入れられた事を感触で知ってしまった。 「あ……あ、ん……フェズ、卑怯……」 「ふぇええ、ふぁいしてあげふぇるらへえふよ」 口に銜えられたまま返事を返されて、不本意ながらもウィアは声が出すその振動でびくびくと震えた。 「あ、だめ……だ」 そうしてぎゅっとフェゼントの頭を手で押さえれば、彼は強くウィアの雄を吸ってくれて、ウィアはそのまま彼の中へ吐き出してしまった。 「だから〜だめ、だっていったろー……」 涙声になってしまいながらも体の力を抜いて。これで離してくれるとちょっとだけほっとしたウィアだったが、フェゼントはまだそれくらいでは終わりにしてなんてくれなかった。 「う、あ……あっ」 一度萎えたウィアの性器を丁寧に吸って、それからまた優しく舌で舐めて先端を擦りながらフェゼントの濡れた手がウィアの尻の方へ向かう。そうすれば何をする気かなんて聞くまでもない事で、尻の間に潜った指はそのままウィアの後孔につぷりと入ってきた。 「フェ、ズ〜」 これから何をするか分かっている分、やめろ、なんて言えないし、けれどひたすらフェゼントにされるだけなのはいたたまれないし恥ずかしい。それらを全部込めて名前を呼んで、おそらくフェゼントならそれを分ってくれたと思うのだが……返事の代わりにフェゼントの指が動いてウィアの中をかき混ぜてくる。 「あ、あぅっ……んっ」 自分でも、中の肉がフェゼントの指をぎゅっと締め付けてしまったのが分って恥ずかしく思えば、それに合わせるように彼の口の中にある前のモノも吸われる。それはもうまたイってしまいかねない快感で、逃げ場がないウィアは足をバタバタを動かして感覚をやり過ごした。 けれどもフェゼントの指はお構いなしに、今度は中を深く突いて指をそこで広げるようにぐるりと動く。それからそのまま内壁を指の腹で小刻みに擦りだし、ウィアはぎゅっと目を瞑った。 「や、め……や」 口は開いたまま閉じられなくて、溢れた唾液がシーツに吸い込まれて暖かくなっていく。もう言葉になるような声は出せないから、小さく喘ぐくらいしか出来ない。それでもどうにか耐えるのは、さすがに1回イっているから先に2回もイってたまるか、という意地だけなのだが……このままではだめだと思ったウィアは最後の手段に出る事にした。 「フェーズ……フェぇぇずぅ〜、お願い、お願いだからぁ〜」 それは言うだけでも一杯一杯なのだが、それでもフェゼントの頭を持ってその髪に指を入れて撫でて、精一杯の甘えた声でする『お願い』だった。 「このままイクより……フェズが欲しい……なぁ〜お願いだからぁっ。フェズと一緒にイキたいんだよっ」 こちらを感じさせようとしている時のフェゼントはいつも少し意地悪だけれど、ウィアのお願いを聞いてくれない程の意地悪ではない。ただしただのお願いではだめで、本当の心からのお願いじゃないと聞いてくれない。 ……それでやっと、ウィアの雄は暖かくて気持ちの良すぎる粘膜の中から出されて、中をかき混ぜてくる指も抜かれた。 「はやく、フェズぅ」 言葉通り早く彼が欲しいから。 起き上がって自分の上に被さってくるフェゼントを受け入れるようにウィアは足を開き、彼の体をその間に受け入れる。後は自分の上にきた彼の体に手を伸ばして、その肩に手を置いて目を閉じる。 いくらフェゼントが細くて女性みたいに可憐な外見だとしても、こうして彼の体を直にに触れればちゃんと筋肉がついているのが分る。悔しい事にそういう時はやっぱり彼は騎士様なんだと思ってしまって負けた気になるものの、今日はちょっと頼りたい気分だからいい事にする。 「ウィア、いいですか?」 律儀に聞いて来る時のフェゼントはいつも少し心配そうで、さっきまで苛めるくらいの勢いでこちらを愛撫していたのは誰なんだよといいたくなる。けれどもやっぱりこちらを気遣ってくれるそれ自体は嬉しいから、ウィアはいつも笑って答えてしまうのだが。 「うん、勿論」 途端、ずる、と少しづつ他人の体温が入ってきて体の中が開かれていく。 熱くて確かな質量が、開いた体の中を埋めていく。 その時の感触は正直好きになれないけど、深くまで彼が入りきって、そこで体を密着させるように抱きしめられて、ふぅ、とフェゼントが耳元で息を吐くその瞬間が好きだった。彼と自分が繋がって一つになったと、そう感じて自分の心も満たされる。体も心も彼に埋められて、一緒になるその時がとても幸せだった。 「動きます……ね」 「うん、いいから……早く」 彼の熱を受け入れて、その感触を感じて、もうそれだけで限界が来そうだから早く彼も追いついてきて欲しい。だから動き出した彼の体に必死にしがみついて我慢する。ぎゅっと体に力を入れて彼の体を抱きしめて耐える。 「う、ん……ふ、あ、あ、あぅ、ん」 それでも唇は衝撃に緩んで、深くを突かれると声が零れてしまう。だからただもう後は目の前の愛しい人を抱きしめて耐えるしかない。はやくこっちにきてと縋るように彼を抱きしめて、必死に彼を呼ぶしかない。 「フェ、ズぅ〜、フェ、ズ〜……」 そうすれば頭の上で、耐えられないのか彼が喘いで……そうして体の深くに熱い彼の印が注がれて広がっていくのを感じた。 「あ……フェズ……大好き」 勿論、そう感じた直後にはウィアのモノもまた吐き出していたのだが。 --------------------------------------------- この二人のラブラブなエロ、ひっさびさに描きました。 幸せそうになってればいいな、という事で。 |