<○リス○ス編> ※注意※本編とは関係ないお遊びストーリーですので深く考えないで下さい。 ☆☆この季節といえばプレゼント(1/3)☆☆ ウィア「フェーズー、これプレゼントっ」 フェゼント「どうしたんですかウィア、唐突に……」 ウィア「なんか知らないけど、今日は子供は無条件で貰えて、恋人はお互いに贈りあう、プレゼントの日らしいんだ!」 フェゼント「ウィア……時事ネタはいいですが、世界設定無視しすぎです」 ウィア「いいんじゃね、どうせこれ本編とは関係ないお遊びだし。そんな訳で、俺からフェズへプレゼントー、開けて開けてっ」 フェゼント「そう言われたら仕方ないですが……ウィア、これは?」 ウィア「前に言ったろーーフリルいっぱいのエプロン!」 フェゼント「あの……冗談じゃなかったんですか?」 ウィア「俺は本気だったぜ!」 ウインクをして、サムアップまでしてみせるウィア。フェゼントは頭を抱える。 ―― 次の日 ―― ウィアのプレゼントのエプロンを着て、食堂へ朝食を持ってくるフェゼント。(昨夜はラークと一緒にウィアの家に泊まりだった) ラーク「にーさん、どうしたの? それ」 フェゼント「……ラーク、見なかった事にしてください」 テレイズ「……(絶対ウィアのせいだと分かっているので、同情しつつ何も言わない事にしている)」 ヴィセント「……(本を見ているので会話に参加しない。ただし、ちらとみた時にウィアのせいだなーと思って同情はしている)」 ウィア「わーーv やっぱフェズ似合うなぁ。すっげー可愛い、それでカフェのウェイトレスやったら絶対その店繁盛間違いなし」 フェゼント「それは、誉めてるようには聞こえませんが」 ウィア「なぁ、フェズ、その格好のまま俺とデートとかは……だめ?」 上目遣いで、精一杯かわいこぶってお願いのポーズをするウィア。 フェゼント「さすがに……それは許してください」 ウィア、途端に顔を変えてブーイング。 ウィア「ちぇーー。フェズすっごいかわいいのにー、無茶苦茶似合うのにー」 ヴィセント「ウィアの方が似合うと思うけどね」 ラーク「だよねー」 ウィア「俺が似合うのはわかってるんだよ! でもかわいー俺見たって俺が楽しくないだろっ」 ラーク「……これだけ堂々と自分勝手発言されると、反論する気さえなくなるもんだね……」 ヴィセント「ウィアだからねぇ」 フェゼント、ウィアの前にだけ、綺麗に飾りつけられたケーキを置く。 ウィア「うわぁ、これ何? 何で?」 フェゼント「突然にプレゼントと言われても用意出来ませんでしたから……私からのプレゼント代わりです、こんなものでもいいですか?」 ウィア「もー、すっげーうれしい。やっぱフェズは料理上手だよなー。いい奥さんになってくれるよなっ」 フェゼントは笑顔をひきつらせる。 ラーク「ずるいっ、にーさん、俺もー」 ウィア「だーーーめ、これは俺へのプレゼントだからなっ」 フェゼント「ラーク、貴方には別に何か作ってあげますから……」 ヴィセント、不満そうなラークに手招きをし、近くにくると耳打ちをする。そうすれば、ラークがテレイズに耳打ちをしにいく。 にこにこと特別製のケーキを食べているウィアは気づかない。 ヴィセント「ウィーア、僕からもプレゼントがあるんだ」 ラーク「俺からもあるよ」 テレイズ「ウィア、お前が前から欲しがっていた冬用のマントを買ってやる、だから……」 3人「こちらへのプレゼント返しに頼みがあるんだけどいいか(な)?」 次の日、そこには、ヴィセントのプレゼントの女物のピンクのドレス(一般人が普段着に着るような奴、妹へのプレゼントで前に買ったらサイズが合わなかったもの)に、ラークのプレゼントの大きなリボンをポニーテールの頭に結び、フェゼントへのプレゼントだったフリフリのフリルのエプロンを身につけたウィアがいた。 ウィア「おかしいな、なんで俺がこんな格好してんだ……」 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆ ☆☆この季節といえばプレゼント(2/3)☆☆ カリン「と、いう事で、明日はプレゼントを贈る日らしいです」 セイネリア「なんだカリン。俺から何かほしいのか?」 カリン「そうですね、くださるのでしたら嬉しいですが、ボスは贈りたい方がいらっしゃるのではないですか?」 セイネリア「あいつが、俺からのものを受け取るとは思えないがな」 ―― 次の日 ―― 案内所からシーグルに連絡がくる。シーグルを指定して仕事の依頼がきていると。 シーグル「なんだこれは……あいつはふざけているのか?」 仕事の内容は、孤児院へ子供達にプレゼントを渡してくる事、依頼主はセイネリアだった。セイネリアからの仕事という事で断ろうとしたシーグルだったが、仕事内容を見て断る事を迷う。しかも――。 事務局員「この仕事をシーグル様が受けられない場合は、ここに用意したプレゼントは破棄してくれ、と言われています。どうしますか?」 シーグル「……分かった、仕事は受ける」 ―― 孤児院にて ―― シーグルが孤児院について荷物を渡すと、院長は無理矢理シーグルを院の一番広い部屋に連れて行った。 部屋に入った途端、子供達が一斉に声を揃えてシーグルに言う。 子供達「騎士様、ありがとうございます」 シーグル「あ、いや、俺は……」 院長「はい、皆さん。並んでくださいね、皆ひとつづつもらうのよ」 プレゼントを貰って喜ぶ子供達。その光景を見ていて、自然と笑みを浮かべるシーグル。 だが、帰ろうとすると子供達に引き止められ、結局は一緒に院長の話す御伽噺を聞いたり、子供達にせがまれて仕事の話をしたり等と、子供達につきあって長居してしまった。 子供の頃を思い出して、終始柔らかい笑みを浮かべていたシーグル。 子供達と一緒に出されたシチューも、少ないながらも珍しくすんなり食べることが出来た。 だが、流石に外が完全に暗くなったのに気付いて、急いで院長に申し出る。 シーグル「申し訳ありませんが、流石にもう帰らないと。今日中に事務局に報告にいかないとならないのです」 子供1「えー、騎士様もっとお話しよー」 子供2「騎士様ー剣振ってみせてー」 子供達がシーグルを取り囲む。 院長「ほらほら、皆わがままいわないの、騎士様はお忙しいのだからね。本当にありがとうございました。その……申し訳ございません、強引にこんな時間までつき合わせてしまって。やはりご迷惑……だったでしょうか?」 シーグル「いや……そんな事はありません。楽しかったです、本当に」 シーグルは心からの笑みを院長に返した。 子供達はそれでもまだシーグルが帰る事に納得出来ず悲しそうな顔をしていたが、そんな中、一人の少女がシーグルのマントを後ろから引っ張った。 少女「騎士様、騎士様、私、お礼がしたいの」 シーグル「いや、それはいい」 言えば少女は泣きそうに顔を顰める。思わずシーグルはしゃがみこんで少女の顔を覗き込む。 シーグル「すまない、君の好意がいらないという訳じゃなく……今日持ってきたプレゼントは、俺からのじゃないんだ。これを君達にくれたのは別の人で、だから俺が君からの礼を貰う訳にはいかないんだ」 少女「……それじゃぁ、これをその人に渡して」 しゃくりあげながらそう言って、少女はシーグルの頬にキスをする。 複雑な顔で固まるシーグル。 少女「騎士様、約束ね。いつもありがとうございますって言って、絶対今のをその人に渡してね」 他の子供達がずるいといって群がってくるのは院長に止められて辛うじて逃げられはしたものの、シーグルは笑顔を引き攣らせながら孤児院をあとにした。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆ ☆☆この季節といえばプレゼント(3/3)☆☆ シーグルはセイネリアの依頼で孤児院にプレゼントを置き、その足で事務局に仕事を完了したという書類を持ってやってきた。完了の報告は今日中に、というところまでが依頼内容だからだった。 完了の報告を提出すると、すぐに別室に通される。 そこには、当然のようにセイネリアが待っていた。 シーグルはセイネリアを睨む。 シーグル「どういうつもりだ……」 セイネリア「安心しろ、こんなとこで襲ったりはしない」 シーグル「当然だ」 セイネリア「なに、依頼主として、労ってやろうと思ってな」 シーグル「それでわざわざ待ってたのか、暇人め」 セイネリア「……楽しかったか?」 シーグルは睨んでいる表情を少しだけ和らげた。 その様子に、セイネリアは笑みを浮かべる。 シーグル「いつもありがとうございます、だそうだ。……お前、もしかして、今回みたいな事をよくやっているのか?」 セイネリア「そうだといったら?」 シーグル「イメージじゃない」 セイネリア「まぁ確かにな。別に俺の意志でやってる訳でもない。ウチの連中の一人がな、自分も孤児だったから孤児達に出来るだけの支援をしてやって欲しい、という条件で俺と契約しているだけだ」 シーグル「成る程」 セイネリア「納得したか?」 シーグルはセイネリアをじっと見つめ、それから思い切ったように近づいていく。 セイネリア「……どうした?」 そうして、セイネリアの顔を引くと、その頬にキスをした。 それからすぐ、逃げるように後ろに下がって距離を取ると、シーグルはセイネリアを再び睨みつけた。 シーグル「孤児院の子供からだ。俺の意志でしたんじゃないからなっ、いいか、その子から、今のキスと『いつもありがとうございます』って言葉を預かってきただけだからなっ」 セイネリアはにやりと笑う。 セイネリア「成る程、気の利いたお返しだ」 シーグル「嬉しそうに笑うなっ、もう一度言うが俺の意志じゃないからな」 セイネリア、更に笑って頬に手を触れる。 シーグル「だから笑うなっ。いいか、俺は頼まれただけだからな。伝えることは伝えた、仕事も完了した、帰らせて貰うぞっ」 シーグルはそれでくるりと背を向けると、部屋を出て行ってしまう。 セイネリア「カリンめ……私からボスへのプレゼントを用意しました、と言っていたが……なかなか策士だな、あいつも。さて、帰りに俺もあいつに何か買っていくか……何がいいかが難しいが」 ―― 後日談 ―― カリン「ありがとう、上出来だったわ」 少女「本当ですか? お役に立てて嬉しいですっ」 カリン「約束通り、貴方を弟子にしてくれる魔法使いを紹介するわね」 少女「ありがとうございますっ」 カリン「礼をいうのはこっちの方ね」 少女「あの……貴女も、嬉しい事があったのですか?」 カリン「えぇそう。貴女のおかげで、私もとてもいい事があったの」 少女はぼんやりとカリンを見る。 カリン「どうしたの?」 少女「あの……貴女が考えた計画で、皆いいことがあって、誰も損してなくて……なんか、まるで魔法みたいだなって」 カリンはくすりと笑う。 カリン「そうね、皆が幸せになる為の魔法……特別な日限定の、ね」 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆ --------------------------------------------- ク○スマ○時期にUPの季節ネタ。カリンさんの計画回りのエピソードは結構お気に入り。お約束ですけどね。 折角のク○スマ○なので、皆でちょっと幸せ(?)な話を目指しました。 いや、宗教的に○リス○スとかないだろー世界観的にどうよ、って話なので、本編とは関係ないとお思い下さい(笑) |