日本語で読めるホームズ
パロディ&パスティーシュリスト
世界一の名探偵といえば今も昔も変わらずシャーロック・ホームズです(と、信じております)。世界中でキリスト教の聖書の次に多く各国で翻訳され読まれていると言われるホームズ物語は、また、数多くのパロディやパスティーシュをも生み出しています。
ここではシャーロック・ホームズのパロディ&パスティーシュの内、日本語に翻訳されたものあるいは日本語で書かれたものをリストアップしました。ただし、単行本として刊行されたものに限り、雑誌に掲載されただけのものは含んでいません。
あくまでも小説に限り、研究書は基本的に取り上げていません。小説かどうかきわどいラインのものもありますが、その場合は一言ことわっておきます。
また、短編集の中で一部分でだけホームズが取り上げられている物は見落としていると思います。こちらは積極的に入れて行きたいと思っていますが。
なぜこれが入っていないんだ!というものがあればどしどし指摘して下さい。
- 追記(1998/3/29)
- ちくま文庫の「詳注版シャーロック・ホームズ全集」10巻(1998/3/24 第一刷)の付録「日本におけるコナン・ドイル、シャーロック・ホームズ書誌」のパロディ・パスティシュの部で、より詳細かつ完璧に近いリストが入手できるようになってしまったので、ここではたからしが実際に自分で読んだもののみに限定することにしました。
海外編(欧米等の作品リストです)
国内編(日本人作家の作品リストです)
リストの順番は基本的に発行順(海外編は原書。また親本のあるものはそちらの年代)です。ただし、シリーズものは1冊目の場所に集めてあります。
人名などの表記は個々の作品に従っています。よって同一人物が「ワトスン」だったり「ワトソン」だったりしています。
短編集については「収録作品」をクリックすれば、収録作品リストを見ることが出来ます。
以下は分かってはいたもののリストに入れませんでした。
- アルセーヌ・ルパンに出てくるホームズ(ホルムロック・シアーズ)はホームズファンとしては納得できない性格なので。(一部は「シャーロック・ホームズの災難〔上〕」に収録)
- 赤川次郎の「三毛猫ホームズ」はホームズとは関係無いでしょう。
- 「ジェシカおばさんの事件簿」シリーズにも「シャーロック・ホームズ殺人事件」ってのがありましたが。
- エーコの「薔薇の名前」は入れても良かったかもしれません。
- 犬アニメの「名探偵ホームズ」は何かノベライズされましたっけ?
- 漫画ですけどJETの「倫敦魔魍街」(朝日ソノラマ)も好きです。後年出た、単行本のワイド版には従来の未収録作品も収録されました。
- ゲームではホームズ本人の名前が出てくるものは多いのでしょうが、「チャールズ・ホックスワース卿」という怪しげな名前で出てくるファミコンの「ミシシッピー殺人事件」は要チェックでしょう。
- 漫画で後藤寿庵の「シャーリィ・ホームズ」(富士美出版)というのもあります。成年コミックだけど(笑)。
- 黒崎緑の「しゃべくり探偵」は名前などにも気を使ってるとは思うのですが、何か違うな…と。
- キム・ニューマンの「ドラキュラ紀元」はマイクロフトやレストレイドがそれなりに出てきますが、この時代の一人物という感じで、物語としてはホームズものらしさを感じるところまで行きませんでした。(続編に「ドラキュラ戦記」「ドラキュラ崩御」もあり)
- シャーベット・ホームズの冒険
- サイナン・ドースル 著
- 三菱文庫
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「事件の手がかりは、ボールペンで書かれたメッセージただ一つ。その軽い書き味の秘密は何か。そして、エクシードの魅力とは…。おなじみ、クールでスイートな探偵シャーベット・ホームズが、親友ワッフル博士と大活躍。水性ボールペンのごとき軽快さで、物語は一気に、鮮やかなクライマックスを迎える。」
・・・なんて、これは小説でも何でもなくて、三菱鉛筆(株)が水性ボールペン・エクシードを出した時にプレゼント用に作った「文庫本ノート」シリーズの一つです(非売品)。ちゃんと文庫本サイズでそれらしいカバーや帯まで付いていて面白いです。何年頃の物でしょうか。
高野憲央の「ぼくはホームズ」は単なるなりきりものな上に雰囲気が弱いです。所詮高校生の作品か。
山田正紀の「エイダ」は、一応ホームズとドイルも出て来るな、という程度。
マーク・フロストの「リスト・オブ・セブン」の続編「ドイルと、黒い塔の六人(上・下)」はホームズものっぽさがほとんど無くなってしまいました。
高田崇史の「QED ベイカー街の問題」も単にシャーロキアンが出て来るだけの話でしょう。あの仮説で一本パロディを書いてくれれば別なのですが・・・
ずっと後にこの続き的な「QED 〜fulumen〜 ホームズの真実」というのも出ましたが、中身は同様。説を出すのは良いんだけど、それがストーリーの中で消化できずに浮いてるんだよなぁ。
Windows用エロゲ「Holmes! でっちあげ探偵」は別にホームズっぽさは全然無いので無視して良いです。ゲーム(エロゲ)としての出来も悪いし。
柳広司の「饗宴(シユンポシオン)−ソクラテス最後の事件」は表紙イラストや煽り文句はホームズものっぽく演出してあるけど、中身はイマイチ弱かった。
漫画ですが、椎名高志の「GSホームズ 極楽大作戦!!」はなかなか秀作です。
漫画ですが、もとなおこの「Dearホームズ」もちょっと良い感じです。
漫画ですが、新谷かおるの「クリスティ・ハイテンション」も面白くて、これを好きなホームズファンが多いらしいというのも納得ですが、クリスティがホームズの先回りをするような話が今のところ(〜3巻)ソア橋くらいしかないのが残念。まぁ正典の謎解きを変更しなくちゃならないので、難しいでしょうが。それにしても新谷さんいつの間にこんな絵柄に・・・
名前というかタイトルだけ借りた「三毛猫ホームズ」以下のが国内で近年いくつか出てますが、そういうキーワード的には引っかからなかった階知彦の「シャーベット・ゲーム オレンジ色の研究」、「シャーベット・ゲーム 四つの題名」(株式会社メディアソフト SKYHIGH文庫)はタイトルや人物名等に工夫は見られるものの、ホームズものとまでは思えませんでした。何よりホームズ(役)の活躍を作品化するのがワトソン(役)ではないというのが残念。
グレアム・ムーアの「シャーロック・ホームズ殺人事件 上/下」(ハヤカワ・ミステリ文庫)は原題の通りシャーロキアンに関する話で、ドイルの活躍するパートが半分あるもののホームズものではないかと。
霞流一の「パズラクション」(原書房)は主人公コンビの名前こそホームズとワトスンっぽくなっているものの、それに類似した駄洒落っぽいネーミングの連発にうんざりするばかりでなく、内容もほぼ(つまらない)ギャグな上に映像化したらコントにしかならない破綻っぷり。そこまで(レストレード相当の名前のキャラもあり)やっていながら、毛利というキャラがモリアーティ相当でなく、最後で突然ヒントも無く出ていたキャラがそうなるとかの卑怯っぷり。序盤でもう読むのを止めたくなった小説というのも何十年ぶりだ・・・
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