ここから先は:「灰かぶり姫」さんの物語です
死んだじいちゃんが立っていた。
ぼくが小学校に上がった年の冬、なくなったひとだ。
ぼーっとして出来の悪い孫に、何時間でも辛抱強くつきあってくれた。
くちからでまかせのお話や、そのへんのものを主人公に見立ててのごっこ遊び、
遠くの川まで散歩にいったり、一坪畑でいっしょにトマトをつくったり。
今にして思えばさぞかし先行きの思いやられる心配な孫だったろうと思うが、
ぼくはただただ楽しかったし、幸せだった。
目の前の、色数の少ないじいちゃんは動きもそよぎもせず、
それこそ足元に陰もなかったが、まなざしはほんものだった。
まだここまでです。誰か続きを書いて下さい
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