<ティーダの章> ※この文中には性的表現が含まれています。読む場合は了解の上でお願いいたします。 【6】 月明かりが大きく入るティーダの部屋の窓。 その明かりを遮る二人分のシルエット。 ちゅ、と濡れた音がして、ティーダはベッドの上に座っている状態から、所在無げな顔で上を向いたまま眉を僅かに寄せた。どうやら、あまり今の自分の状態を考えないようにしているらしく、両手もベッドについてはたから見たらそっぽを向いているように見える。 「ン……」 それでも、今触られているものがものであるから反応せずにやりすごすという事はできなくて、彼は時折その艶のある声を聞かせてくれる。 だからそんな彼に応えるように、メイヤも殊更丁寧に口の中に入れた彼のものを舌で包み込む。 「は、ぁ……」 先端を少し強く擦れば反射的に足が閉じようとしてくるから、メイヤは両手でしっかりそれを支えて更に彼の足を開かせる。抗議してくる手は髪の毛を少し乱暴に掴んでくるものの、少し感覚の強いところに触れてやればその手はすぐに力をなくす。 くちくちと、わざと口から水音を漏らす。そうすれば口の中のものの反応で、彼の興奮が直に分かってしまう。 メイヤの唾液なのか、ティーダのこぼしたものなのか、どちらか分からないモノが口から垂れて、彼のものを伝って根本の茂みとその下の膨らみを濡らす。だからそれさえも水音を鳴らして弄ってやれば、口の中の彼の欲望は限界を迎えて、口腔内が彼の味で一杯になった。 「こ、の……馬鹿っ」 こんな時にもそういう色気のない言葉はどうなのだろう、と思いながらも、口に受けたものをこくりと飲み込む。それから舌で彼のものを愛しげに舐めて拭って、やっとメイヤは顔をあげた。 見えた師の顔は、気まずそうで、でも赤くて、なんだかとても可愛く見えてしまったから、メイヤは嬉しくて笑みを浮かべた。……今回は、さすがに前回で懲りていたから、それを言葉にしたりはしない。 「一方的にされんのはヤなんだよ……」 そう言って悔しそうに顔を逸らすティーダ。 拗ねているその顔を可愛いと思ってしまって、もっと彼を困らせたくなってしまうから困る。 だから、メイヤは思い立って再び顔を彼の下肢へとおろしていく。 「おいっ、だからヤだって、止めろってば……」 だが叫んだティーダも、実際に彼の性器が口の中に入ってしまえば言葉を詰まらせるしかない。 軽く唇で絞り上げれば、萎えていた彼のものが再び芯を持ち出す。 彼が黙ったことを確認して一度それを口から出したメイヤは、顔だけを上げ、にっこりとティーダに笑ってみせた。 「先程のはこの間のお返し分です。これからが今日の分になります」 ティーダは目を丸くする。 言われた瞬間は驚きすぎて反応も出来なかったようで、暫くすると顔を更に赤くして口を大きく開けた。 「なんだそりゃっ、……て、おい、ちょ、や……うわぁっ」 けれども、雰囲気をぶち壊すいつもの怒鳴り声は今日は言わせない。 メイヤは、文句を言おうとする彼の欲望を手で掴んで、力の抜けた彼の体を問答無用でベッドに倒した。 それからまた文句がこないうちにすかさず口でそれを銜え、垂れている液体を指ですうっと引いて、後ろの窄まりにまで持っていく。 「あ……」 指に絡まったぬめりのまま、指をその中に入れる。 びくんと彼の体も口の中のものも反応して、メイヤは少し強く舌で彼の先端を押した。 「や、あぁ……」 声は甘く、悩ましく。彼の普段の声より高いその声に自分の下肢も反応しているのを知りながら、メイヤは指で彼の熱い内部を広げるようにかき混ぜる。その度にびくびくと彼の体は反応して、甘い吐息が彼の口から漏れた。 熱い肉壁が指を押し戻し、絡め取るように締め付けてきて、その内部を押し返しながら、メイヤは更に指を増やす。 二本の指を交互に出し入れさせて中を擦れば、口の中では彼の先端が苦い液をとろとろとこぼれさせ、それを舌で舐め取る度にティーダの高い声が鳴る。 彼も無意識なのだろう、腰が浮き、足を自ら開き、まるでメイヤに押しつけるような姿になって、感覚のやり過ごしようがなくなったのか、悩ましげにその白い身体をよじっている。 だから、一度指を抜き、体を離す。 そうすれば、放心した顔のティーダが、どこかものたりなそうな視線をメイヤに投げてくる。 メイヤはそんな彼に嬉しくなりながらも、手にたっぷりと香油を垂らし、再び力の入らない彼の足を開かせて、そこに顔を埋めていく。 口に含めばすぐに腰を上げて甘い声を漏らす彼に、たっぷりの油を中にまで押し込むように深くまで指を押しこんだ。 「ああああぁっ」 それからすぐ、今度は更に指を増やすと同時に激しく出し入れさせれば、悲鳴のような声とともに、口の中はまた彼の吐き出した欲望で溢れた。 「あ……はぁ、あぁ……」 ほっとしたように体を弛緩させ、ぐったりとする彼だが、メイヤは口は離したものの指は中に入れたままで、締め付けてくるその肉壁の感触を愉しんでいた。熱い彼の中は蕩けるようで、指の動きに合わせてぐちゃぐちゃと厭らしい音を鳴らしていた。 少し意地の悪い笑みを浮かべて指で軽く抽送をすれば、またびくんとティーダの体が跳ねる。 「こら、や、め……」 ぐったりしているティーダは、酷く億劫そうにそう呟く。 体は力が抜けているのに、指を締め付けるそこだけがびくびくと強く蠢いているのがおかしくて、メイヤは口元に笑みを引いた。 それから指を抜くと同時に彼の足を掴み、その間に自分の体を入れていく。 気づいたティーダが驚いて目を見開く。 「お前、まさか? ……て、ちょっとまて」 「待てません、挿れますね」 言うと同時に、もうすっかり硬くなっている自分の性器をティーダのそこに押しつける。 ――あの老魔法使いいわく、入らないのは、ティーダの方の体がまだ緊張しすぎてるせいと、メイヤが途中から萎えてきてるせいだ、らしい。 『あの人なぁ、偉そうに慣れてる振りするくせに、実は結構緊張してたりすんだよ。顔じゃなく、体の方の反応をちゃんと見てやんだぜ』 と、いうあの老人の顔を思いだし、今度は思い切って腰をすすめる。ちゃんと押しつける前に自分のモノにも油を塗っておいたから、滑りに関しては問題ないはずだった。 だから、ぐっと押しつけると、今度は狭い中にそれが入ってゆくのが分かる。指ではずれないように固定しながら尚も強く押しつけると、それはぬめりを借りて深くまでずるりと入り込んだ。 「あぁあっ」 ぎゅ、と締め付けてくる熱い肉の感触。 きついのに柔らかく、蠢いて誘う肉の壁。 それだけでメイヤはめまいがするほどの快感に陥り、動く暇さえなく、達しないように耐えるだけで一杯一杯になる。 どうにかやり過ごして固くつぶっていた目をあけていけば、ティーダの方もまた苦しげに目をつぶっていて、メイヤはゆっくりと慎重に顔を近づけていく。 少し動いただけでつらいのか、体勢を変えていけば途中で中が反応するように締め付けてきて、その度にメイヤも顔を顰める。 それでもどうにか彼のすぐ傍まで顔を落とすと、メイヤは静かに、彼に向かって囁いた。 「やっと……貴方と繋がれました」 気づいたティーダが目を薄く開けたのを見て、メイヤは微笑む。そうすれば彼は少しだけ驚いた顔をしてから、やはり笑って、そしてまた目を閉じた。 「馬鹿みたいに嬉しそうな顔……しやがって」 「それは、馬鹿みたいに嬉しいからですよ」 「ったく、ガキは仕方ねぇな」 なんだか、目から涙が出てきそうになって、急いでメイヤは顔をティーダから見えないように彼の首元に埋めた。 「……えぇ、俺は貴方から見たらどうしようもなくガキです。それでも……少しでも貴方を支えられる男になりたいです」 言っている間に声が震えてしまって、メイヤは歯を噛み締めた。 それが分かった筈なのに、ティーダはいつも通りの冗談めいた口調で言ってくる。 「男にはしてやったろ?」 だからメイヤも、泣きそうなのに無理矢理顔に笑みを浮かべて答える。 「えぇ、そうですね」 それから、涙が出てない事を確認して、精一杯の笑顔を顔に浮かべてから、顔を上げ、ティーダの顔をじっと見つめる。 「大好きです、師匠……ティーダ」 それに彼が何かを言う前に、メイヤは彼の唇にかぶりつくように口づけた。 同時に腰を強く突き上げれば、塞いだ口の中で、彼が悲鳴のような吐息を漏らす。その声さえ絡めるようにメイヤは夢中で彼の舌を絡め取り、腰を激しく突き上げる。 「は、ぁ……あぅ、あんっ……」 激しい動きに唇がずれて離れる度、耳にはティーダの甘い声が流れ込んでくる。 けれどもその声はすぐに合わせられた唇の中に消え、肉を打つ音だけが大きく響き、ベッドの軋む音がそれにリズムを加えた。 音は早くなる、鼓動も吐息も早くなる。 せり上がる快感のまま、押し包んでくる熱い肉壁を抉って、メイヤは彼とより深く繋がる為に勢いよく奥を突く。 「あ、あああぁああっ」 嫌がるように、顔を目一杯逸らして唇をはずしたティーダが大きく喘いだ。 同時に、ぎゅうっと一際強く締め付けられて、メイヤは堪えきれず彼の中に放った。 さすがにメイヤも力が抜けてティーダの上に倒れ込めば、腹に生暖かい感触が広がっていくのを感じる。どうやら、キスしようとして必死に体を押しつけていたせいで、自分の腹でティーダのものを擦っていたらしい。 メイヤは、そんな彼の様子にまた笑みを浮かべると、完全に力を失って目を開く気力さえないティーダの頬に軽くキスを落とした。 --------------------------------------------- メイヤ君、やっとこさ師匠と最後まで、です。 |