無人島化した離島一覧



編者が訪ねた無人島化(無住化)した離島は,厚岸小島,八丈小島,釜島,立島,船島(巌流島),羽島,櫃島,尾島,牛ヶ首島,豊島,比岐島,四阪島,
野崎島,藪路木島,葛島,箕島,端島,新島,具志川島,由布島,内離島の21島です。




離島の廃村のうち,無人島化(無住化)した離島については,「SHIMADAS」(日本離島センター刊)と「無人島が呼んでいる」(本木修次さん著,ハート出版刊)を丹念に見ていくと発見できることに気が付き,まとめることになりました。
表を見直すと,「無人島が呼んでいる」は,一種の全国規模で廃村をまとめた本ということがわかりました。改めて「無人島が呼んでいる」を見ると,多くの新たな発見ができそうです。
機会があったら,日本離島センターや全国過疎地域活性化連盟に足を運んで,関連の資料を紹介していただきたいものだと思います。


  島名 無人化時期 面積 最大人口 特記

1
北海道厚岸町小島(Kojima) 1985年(昭和60年)頃 0.05ku 10世帯 (学)(本)春〜秋は有人となる。コンブ漁

2
東京都八丈町八丈小島(Hachijou-kojima) 1969年(昭和44年) 3.08ku 513人 (学)(本)室町期からの歴史があった。集落名は宇津木,鳥打
3 東京都八丈支庁鳥島(Torishima) 1939年 4.79ku 125人 (本)火山活動さかん。気象庁の施設があった
4 東京都小笠原村聟島(Mukojima) 1944年 2.57ku 25人  
5 東京都小笠原村媒島(Nakoudojima) 1944年 1.37ku 27人  
6 東京都小笠原村嫁島(Yomejima) 1944年頃 0.81ku 20人  
7 東京都小笠原村弟島(Otoutojima) 大正末期? 5.20ku 50〜100人  
8 東京都小笠原村兄島(Anijima) 大正末期? 7.87ku 2人  
9 東京都小笠原村姉島(Anejima) 大正末期? 1.43ku 14人  
10 東京都小笠原村妹島(Imoutojima) 大正末期? 1.22ku 33人  
11 東京都小笠原村姪島(Meijima) 大正末期? 1.11ku 25人  
12 東京都小笠原村北硫黄島(Kita-ioujima) 1944年 5.57ku 220人 集落名は石野村,西村
13 東京都小笠原村硫黄島(Iou-tou) 1945年 22.36ku 1100人 (学)(本)旧硫黄島村。自衛隊の基地がある
14 東京都小笠原村南鳥島(Minami-torishima) 1933年 1.10ku 70人 (本)集落名は水谷村。気象庁・自衛隊関係者がいる
15 島根県益田市高島(Takashima) 1975年(昭和50年) 0.39ku 125人 (学)(本)室町期からの歴史があった
16 岡山県日生町鶴島(Tsurujima) 1990年(平成2年) 0.10ku 9人 (本)キリシタンの遺跡あり

17
岡山県倉敷市釜島(Kamashima) 1990年頃 0.40ku 76人 (学)(本)
18 岡山県倉敷市上水島(Kami-mizushima) 終戦頃? 0.46ku 268人 (学)(本)精錬所があった
19 広島県福山市宇治島(Uji-shima) 1963年(昭和38年) 0.52ku 41人 (学)(本)戦後の開拓集落。クジャクが居る
20 広島県竹原市大久野島(Ookuno-jima) 1945年 0.70ku 不明 (本)戦時中,毒ガス製造施設があった
21 広島県東野町臼島(Usujima) 1969年(昭和44年) 0.46ku 46人 (本)瓦の名産地だった
22 広島県東野町佐組島(Sakumijima) 1971年(昭和46年) 0.31ku 25人 ミカン畑
23 広島県東野町船島(Funashima) 1971年(昭和46年) 0.30ku 50人 戦後の開拓集落
24 広島県下蒲刈町上黒島(Kamigurojima) 1976年(昭和51年) 0.30ku 43人 (本)廃棄物問題
25 広島県音戸町三子島(Mitsugo-jima) 1956年(昭和31年) 不明 65世帯 戦後の開拓集落
26 広島県倉橋町横島(Yokoshima) 1970年(昭和45年) 0.59ku 130人 (学)(本)戦後の開拓集落。ミカン畑
27 広島県沖美町大黒神島(Ookurokami-shima) 1987年(昭和62年) 7.25ku 少数 (本)
28 山口県橘町立島(Tatsushima) 1985年(昭和60年) 0.20ku 71人 (学)(本)江戸期からの歴史があった
29 山口県東和町大水無瀬島(Oominase-jima) 1962年(昭和37年) 0.55ku 130人 (本)元救済島

30
山口県下関市船島(Funajima) 明治期 0.08ku 約10人 (本)巌流島

31
山口県萩市羽島(Hashima) 1972年(昭和47年) 0.27ku 115人 (学)(本)室町期からの歴史があった。キャンプ場の跡あり
32 山口県萩市肥島(Hishima) 1960年(昭和35年) 0.19ku 38人  

33
山口県萩市櫃島(Hitsushima) 2009年(平成17年)頃 0.81ku 118人 (学)(本)葉タバコの産地で畑あり

34
山口県萩市尾島(Oshima) 1972年(昭和47年) 0.22ku 103人 (学)(本)江戸期からの歴史があった
35 香川県直島町柏島(Kashiwajima) 1960年頃? 0.48ku 10人弱 戦後の開拓集落
36 香川県直島町寺島(Terashima) 1960年頃? 0.23ku 10人強 戦後の開拓集落
37 香川県直島町家島(Ejima) 1995年頃 0.28ku 30人 (本)
38 香川県直島町京の上葛島(Kyounojourou-jima) 1960年頃? 0.34ku 7人 戦後の開拓集落
39 香川県直島町喜兵衛島(Kihee-jima) 1970年頃? 0.17ku 100人強  

40
香川県直島町牛ヶ首島(Ushigakubi-jima) 1995年頃 0.36ku 不明 (学)(本)明治期に入植。海運業で栄える
41 香川県観音寺市股島(Matajima) 1962年(昭和37年) 0.08ku 17人 戦後の開拓集落

42
愛媛県弓削町豊島(Toyoshima) 2010年(平成22年)頃 0.40ku 180人 砕石場,戦後開拓
43 愛媛県弓削町百貫島(Hyakkan-jima) 1962年(昭和37年) 0.03ku 5人  
44 愛媛県岩城村津波島(Tsuba-jima) 昭和初期 0.45ku 4世帯  

45
愛媛県宮窪町四阪島(Shisaka-jima) 1977年(昭和52年) 1.26ku 4000人強 (学)(本)リサイクル工場(元精錬所)があるため上陸はせず,洋上観察にとどめる

46
愛媛県今治市比岐島(Hiki-jima) 2010年(平成22年)頃 0.30ku 70人以上 ミカンの栽培,1戸あり
47 愛媛県今治市平市島(Heichi-jima) 1965年(昭和40年) 0.25ku ごく少数 (本) 
48 愛媛県中島町由利島(Yuri-jima) 1965年(昭和40年) 0.45ku 75人 (本)元救済島,DASH島
49 愛媛県宇和島市御五神島(Oitsukami-jima) 1965年(昭和40年) 1.32ku 60人 (学)(本)
50 徳島県由岐町昆野島(Nuno-shima) 1960年(昭和35年) 0.10ku 不明  
51 徳島県牟岐町大島(Ooshima) 1958年(昭和33年) 1.76ku 23世帯  

52
長崎県小値賀町野崎島(Nozaki-jima) 2001年(平成13年) 6.78ku 648人 (学) (本) 太古(縄文期)からの歴史。キリシタン集落(野首,舟森)と神道中心の集落(野崎)が混在していた
53 長崎県小値賀町宇々島(Uujima) 1964年(昭和39年) 0.09ku 4人 (本)江戸期からの歴史があった。元救済島

54
長崎県小値賀町藪路木島(Yaburogi-shima) 1972年(昭和47年) 0.47ku 173人 (学)(本)江戸期からの歴史があった
55 長崎県上五島町折島(Oreshima) 1976年(昭和51年) 0.32ku 230人 (学)(本)江戸期からの歴史(キリシタン集落)。現石油備蓄基地
56 長崎県若松町荒島(Arashima) 1959年(昭和34年) 0.15ku 12人  

57
長崎県奈留町葛島(Kazurashima) 1973年(昭和48年) 0.45ku 278人 (学)(本)江戸期からの歴史(キリシタン集落)
58 長崎県福江市ツブラ島(Tsubura-jima) 終戦頃? 1.47ku 13世帯  
59 長崎県岐宿町姫島(Himeshima) 1965年(昭和40年) 0.46ku 300人 (学)(本)江戸期からの歴史(キリシタン集落)

60
長崎県大村市箕島(Mishima) 1972年(昭和47年) 2.34ku 66人 (学)(本)江戸期からの歴史があった。現長崎空港

61
長崎県高島町端島(Hashima) 1974年(昭和49年) 0.06ku 5259人 (学)(本)元炭鉱(軍艦島)
62 長崎県勝本町名烏島(Nagarasu-jima) 1977年(昭和52年) 0.27ku 3人 戦後の開拓集落
63 長崎県美津島町頭切島(Tsungiri-jima) 1971年(昭和46年) 0.01ku 4人 戦後の開拓集落
64 熊本県大矢野町和田島(Wadajima) 1967年(昭和42年) 0.01ku 5人  
65 熊本県松島町瀬島(Sejima) 1978年(昭和53年) 0.32ku 15人 戦後の開拓集落
66 熊本県八代市大築島(Ootsuku-shima) 1961年(昭和36年) 0.41ku 250人 (学)石灰石鉱
67 熊本県龍ヶ岳町楠森島(Kusumori-jima) 1970年(昭和45年) 0.19ku 13人  
68 熊本県御所浦町竹島(Takeshima) 1974年(昭和49年) 0.04ku 22人 (本)
69 熊本県河浦町産島(Ubushima) 1962年(昭和37年) 1.94ku 3人 (本)天草富士
70 熊本県牛深市戸島(Toshima) 1958年(昭和33年) 0.47ku 12人 (学)
71 熊本県牛深市法ヶ島(Hougashima) 1955年頃 0.26ku 4人  
72 熊本県牛深市大島(Ooshima) 1974年(昭和49年) 0.47ku 389人 (学)(本)江戸期からの歴史があった

73
鹿児島県桜島町新島(Shinjima) 2013年(平成25年) 0.13ku 250人 (学)編者が訪ねて間もなく無人島化
74 鹿児島県西之表市馬毛島(Mage-shima) 1980年(昭和55年) 8.40ku 383人 (学)(本)戦後の開拓集落。集落名は葉山,高坊
75 鹿児島県十島村臥蛇島(Gaja-jima) 1970年(昭和45年) 4.07ku 82人 (学)(本)江戸期からの歴史があったと思われる
76 沖縄県具志川村硫黄鳥島(Iou-torishima) 1959年(昭和34年) 2.55ku 600人強 (学)(本)火山活動がさかん。明治期に久米島鳥島地区に集団移住

77
沖縄県伊是名村具志川島(Gushikawa-shima) 1970年(昭和45年) 0.42ku 24人 (学)縄文時代の遺跡がある
78 沖縄県渡嘉敷村前島(Maejima) 1962年(昭和37年) 1.60ku 300人 (学)(本)
79 沖縄県座間味村屋嘉比島(Yakabi-jima) 終戦頃 1.26ku 2000人強 元銅鉱
80 沖縄県北大東村沖大東島(Oki-daitoujima) 1945年 1.15ku 2000人強 (本)元リン鉱。米軍施設あり
81 沖縄県石垣市魚釣島(Utsuri-jima) 不明 3.82ku 248人 (本)尖閣諸島。集落名は古賀村

82
沖縄県竹富町内離島(Uchipanari-jima) 1982年(昭和57年) 2.10ku 2000人強 (学)(本)元炭鉱。集落名は成屋,南風坂
83 沖縄県竹富町外離島(Sotopanari-jima) 終戦頃? 1.32ku 少数 (本)元炭鉱


【参考】離島内の廃村

  島名 無人化時期 島の面積 最大人口 特記
1 東京都小笠原村(母島)北村(Kitamura) 1945年(昭和20年) 20.80ku 400人強 (学)

2
長崎県奈留町(奈留島)小田(Oda) 1980年代? 24.70ku 不明  
3 鹿児島県上屋久町(屋久島)小杉谷(Kosugidani) 1970年(昭和45年) 504.55ku 500人強 (学)林業集落
4 鹿児島県上屋久町(屋久島)半山(Hanyama) 不明 504.55ku 不明  
5 沖縄県竹富町(新城島)下地(Shimochi) 1963年(昭和38年) 3.34ku 不明  

6
沖縄県竹富町(西表島)宇多良(Utara) 終戦頃? 289.27ku 1000人強 (学)炭鉱集落
7 沖縄県竹富町(西表島)稲葉(Inaba) 終戦頃? 289.27ku 不明 林業集落
8 沖縄県竹富町(西表島)元成屋(Motonariya) 終戦頃? 289.27ku 不明 炭鉱集落

9
沖縄県竹富町(西表島)網取(Amitori) 1972年(昭和47年) 289.27ku 200人 (学)
10 沖縄県竹富町(西表島)崎山(Sakiyama) 1948年(昭和23年) 289.27ku 64人 (学)


(注1) 元からの無人島,大正期以前の無人島化および北方領土を含みません。季節有人島(石川県輪島市七ッ島など)は,厚岸小島以外は掲載していません。

(注2) ◎は編者が足を運んだ無人島および廃村(季節有人島を含む),○は洋上観察をした無人島および廃村を示します。

(注3) 自治体名は,平成の大合併以前のものです。

(注4) 特記中,(学)は学校が存在したことを,(本)は「無人島が呼んでいる」(本木修次さん著)で取り上げられていることを示します。