ここから先は:「don't」さんの物語です
違和感は無かったといえば、それは嘘になる。
ただ目の前の風景は、なぜか“いつも通り過ぎて”いた。
「おい」
恐る恐る僕は口をあける。
「どうした?」
次郎はいつも通りのおかしなアクセントで返事をする。
しかし、それは自分の疑念を晴らすことはなかった。
「ここは、何処だ?」
「……え?」
「ここは何処だと聞いてるんだ」
「何処だって、ここは東京郊外の古ぼけた安いアパートだろ?お前どうしたんだそんな事聞いて?」
「どうかしているのはお前のほうだ!」
確かに目の前に居るのは、浅川次郎の形をした人間。
しかし、その頬には、見慣れない数字列が書かれていた。
「おまえ……どうしちゃったんだよ!」
- 「どうって・・・?至って普通だよ・・・」
(この分岐より先「好子」さんの物語です。)
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