ここから先は:「げら」さんの物語です
ひそひそ。
こそこそ。
指差しているのも確かに見た。
家には誰もいなくなっていたので、一日こもっているというわけにもいかない。
最低限の日用のしごとはすませなければならない。
ゴミをだしたり、買い物をしたり、引き落としの前に残高を確認したり。
そうして表に出て行くと、はじまるのだ。
こそこそと。なにやら。眉をひそめたり、無表情でいきすぎたり。
三軒向こうの雑種のタミー(犬だ)も顔をそむけてしらんぷりする。
あいさつ、しているのにな。
悲しくなっちゃうな。
もしかして由美を殺して埋めたとでも思われてるのかな。
妻殺しか。そんな男だと思われてたのかな。
でももうずいぶん由美は帰ってきてない。
海でおぼれて以来、会ってない。さみしい。
会いたいな。
由美に会いたい。
- 旅に出る
(この分岐より先「これからはじまるミニゲーム」さんの物語です。)
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