ここから先は:「ぺっぺ」さんの物語です
うしろから機械音がするのにせきたてられて走る。
邪魔になるので手にもった書類をバックパックに仕舞おうとすると、
様子がおかしい。
やけにねとついて、手にへばりつく。
目をやれば、さきほどとことなり、色といい皺といいまるで生皮だ。
見る間に端から縮まって、分厚くなって、
ついには白いけむりをあげはじめる。
ナゾの気体を吸い込みそうになってあわてて捨てる、が
捨てられない。
手から離れない。
走りながら手を振り回し、絶叫、目もつぶっていたかもしれない、
自分のどこかはパニックを冷静に観察しているのだけれど、
道路のまんなかだということも認識しているのだけれど、
とまれないし、とまらない。
そのあいだにも宇宙人の書類はどんどんどんどん密着して、
小指側からトウ骨にななめにまきついたような格好になって、
焦げたようなへんな匂いをたてながら
僕の一部になっていった。
- 〜その日から〜
(この分岐より先「りりす」さんの物語です。)
- 僕の一部になっていった。
(この分岐より先「NEGATIVEMANATEE」さんの物語です。)
[戻る]