ここから先は:「トラッキー」さんの物語です
そこには少年が立っていた。
「卓也?」
よくみれば小学校入学当時からよくつるんでいる卓也だった。
僕はほっと息を付いた。
知らない土地で不安だったが、これでなんとかなりそうだ。
「どうかしたのか?」
「それが聞いてくれよ…」
僕は今まであったことを一部始終卓也に話した。
「見ただろ?リサイクルショップにあった着ぐるみ…」
「覚えてない。」
「覚えてないってお前が見つけて笑ってたんじゃないか!」
学校の帰りに誰が買うんだろうな!ってゲラゲラ笑ってたのはお前だろ?!
こいつが忘れるわけがない。
卓也は眉を顰める。
「知らない。」
「嘘だ!!」
なんかこいつ…様子が変だ。
「なぁ…お前なんでこんなとこにいんだ?」
そうだ。卓也は僕の家の目と鼻の先に住んでいるのに。
それにいつもこの時間は塾があるって…
嫌な汗が背筋に流れる。
「太郎?」
後去る僕に不思議そうに首をかしげる卓也。
「お前まさか…」
「ウチュウジンじゃないかって?」
卓也がニヒルに笑う。
僕はごくりと息を呑んだ。
- 「宇宙人は君だよ」
(この分岐より先「金田三」さんの物語です。)
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